古文や漢文における許容範囲とは、どこまで原文の意を損なわないかにあります。 大学入試までの範囲であればあまり関係ありませんが、古典を訳していく中である程度意訳しなければならない場面も登場します。そこで如何に原文の意を推量し訳せるかは、人によりけりです。 共通テストにおける古典で意訳を気にすべき箇所は率直に申し上げて、一箇所もないかと思われます。(二次試験であれば話は変わってきます) 問2～問6までの答えは全て文中に記されている通りです。 強いてあげるならばそれは問1です。単語の意味は合ってるけれど知っている訳し方ではない、とか、複数の選択肢で2通りの訳し方をしている、など。「意訳」とは原文の意味とは違う物への変化ではなく、訳者の文芸としての表現方法が表されたものです。物語や文脈、語り手の雰囲気に合わせて言葉や言葉遣いを変化させることも又「意訳」です。その中で受験生を迷わせる為に敢えてややこしく選択肢を作っているので、我々はついつい文脈から推量して間違った意訳をしてしまいます。 ですがよく単語ごとに意味を考えると自ずと選択肢は絞られてきます。 例えば「おほかたなるやうに」ですが、そもそも「おほかたなり」の意味が世間一般的な、通り一遍な、であり、つまりThe普通ということです。 こう考えると他の選択肢にそれらしいものが無いことから答えは③になります。 「挨拶」についてですが、コレは問の趣旨としてはあまり重要ではありません。訳し方が、ありふれた感じで、ありふれた雰囲気で、でも‪✕‬ではないからです。(他の選択肢と被ってるから) 文脈からの意訳をしている問題は、恐らくないかと思われます。 共通テストで気をつけるべきは、意訳ではなく、どれだけ書かれてないことは勝手に推測しないか、ということです。 コレは国語科目の嫌な所ですが、ある程度その先が推測できても、文中に書かれてなければ単なる憶測に過ぎないことに注意しましょう。 文脈から判断しなければならないのは助詞助動詞に多いでしょうか。「なり」や「べし」、順接確定・仮定の「ば」辺りは気をつけてください。 共通テストなどと言う、学問の敵でしかない浅薄愚劣且つ無知蒙昧な悪問改悪の羅列の解読に「意訳」を問う高等な術は求められていません。 試しに予想問題や過去問を単語帳片手に解いてみてください。必ず全問正解できるはずです。辞書通りに解けば正解できるということは、その問題に暗記より上のテクニックは必要ないということです。