朱子学は、儒学の祖である孔子の思想から大きく発展した点があると考えられます。 ・孔子は理想的な社会の実現に重きを置いていましたが、朱子学は形而上学的な思索にも踏み込んでいます。朱子は「理」という概念を重視し、宇宙の根源的な原理を探求しました。このような形而上学的な思索は、孔子の実践的な思想からは逸脱していると見なされる可能性があります。 ・朱子学は、性善説に基づき人間の本性は善なりと説きました。しかし孔子は、人間の本性については明確な見解を示していません。人間の本性に関する朱子学の議論は、孔子の思想を逸脱しているという批判が考えられます。 ・朱子学は、理学的な側面が強く、宇宙の原理や人間の本性を理論化しようとしました。一方で孔子は、理論よりも実践的な倫理観を重視していました。朱子学の理論化された思想は、孔子の実践的な思想からの逸脱であると批判される可能性があります。 以上のように、朱子学は形而上学的思索や人間本性論、理論化された思想など、孔子の実践的な思想からは逸脱した面があると考えられ、そうした点が批判の対象となる可能性があります。