「応」は再読文字です。
再読文字は基本なので、必ず、全文暗記しましょう。
基本事項を完全に暗記することが、
成績を伸ばすコツです。
基本事項を「なんとなく」で、
曖昧なままにしていたら伸びません。
これは、全教科共通です。
「応」は、「まさに~べし」と読みます。
「応休」は「応に休(や)むべし」です。
この場合は、強い推量です。
それと、一句目の換は喚ではないでしょうか。
【訳】
若いころは、「愁いって、それは何だ」と思っていた。
老境になって、世間に愁いというものがあることを実感した。
世間を忘れ尽くしても、愁いはまだある。
この身も、ともに忘却してしまって、
はじめて愁いはなくなるのだろう。
【さらに詳しい訳】
若いころは、健康だし前途洋々だし、
愁いというものにリアリティが全くなかった。
だけど、年を取ると、さまざまなことを見聞きし、
挫折や不幸も経験し、本当に、
この世に愁いがあることを実感した。
そして、出世欲や名誉欲など、世間的な欲をすべて捨てて、
世間を忘れ尽くしても、まだ愁いは存在している。
身体もいっしょに忘却し尽くして、
はじめて愁いは無くなるのだろう。
世間を一切忘れ尽くしても、
病み疲れた身体がある限り、愁いはなくならない。
「和身」は、「身(み)和(なご)みて」と読む説もあります。
「和」を「ともに」と読むのは、
「世間だけではなく、身体も一緒に忘れ尽くして」という解釈です。
「身和(みなご)み」と読むのは、
「身体の苦痛がなくなって穏やかになって、
身体を忘却して」という解釈です。
その他に、「和身」を「自分自身と和解して」とする解釈もあります。
これは、憂いは世間という外側の要因のみで生まれるのではなく、
自分自身の心が生み出すという解釈です。
高1に、こんな難しい詩を読ませるの?と
びっくりしてしまいました。
この詩は、専門家でも解釈が分かれる難しい詩ですから、
読めなくても、気にすることはありません。
ですが、再読文字「応」のような、
基礎的知識は、きっちり暗記しましょう。