演習問題の前に何か解説があるんじゃないかと思うのですが、何も触れられていませんか。
1. Jane is no better at physics than she is at math.
2. Jane is no more good at physics than she is at math.
と、2つのタイプの英文がありますが、意味が異なります。1 は、ジェーンのが物理が得意だと言っても、その程度は数学と同レベルだよ、ということを言っています。誰かが「ジェーン、物理得意だよね」と発言したときに、「いやいや、たいしたことないよ」と反論したりするときに使われます。
2 は、ジェーンが物理得意なわけないじゃん。(苦手な)数学程度にしかできないよ、ということを言っています。誰かが「ジェーン、物理できるよね、得意だよね」と発言したときに「とんでもない、苦手な数学程度にしかできないよ」と反論するときに使われます。この場合、ジェーンが数学が苦手だということは会話の当事者間で共通の了解事項になっていることが前提です。
2 のパターンの文法的説明はいろいろありますが、no more ~ than... で一種のイディオム表現だと覚えてしまうのが楽です。「~」の部分には形容詞・副詞だけでなく、名詞や動詞もきます。
注意すべきは、多音節の形容詞・副詞で more をつけて比較級をつくるものです。
3 This book is no more expensive than that one.
これは、この文だけだと 1 のような意味にも、2 のような意味にも解釈できます。 文脈を見ないとどちらかは決められません。市販の問題集(YouTube 動画でも)などでは当然のように 2 の意味になるとしているものがあるので注意したいです。大学の研究者レベルの人の著作であれば、たいていきちんと説明されています。