クリストファー・コロンブスは新大陸をヨーロッパに「発見」したことで知られ、航海の功績はヨーロッパの探検や地理学の発展に大きな影響を与えました。
しかし、最近ではコロンブスの航海が先住民に与えた影響や植民地支配、暴力、略奪の始まりとして批判されることも多いです。彼の到来は先住民にとって文化の崩壊、人口減少、奴隷化などの悲劇を招いたという見方もあります。また、大陸は元々そこにあって人も住んでいたのに「新大陸を発見した」という言い方はいかがなものかという批判も多いです。
そんな社会情勢の中で「コロンブス」というテーマを扱うこと自体リスキーなことですが、MVの中でコロンブスに変装したメンバーがパーティーをするなどしてコロンブスに対するポジティブなイメージを強調させた(ように見えた)ことで、多くの人から反感を買いました。それだけでなく類人猿に人力車を引かせる描写もあり、これが「差別的表現」だと大炎上しました。また、元々Mrs. GREEN APPLEのアンチをしていた人や良いイメージを持っていなかった人が「今だ!」といきり立って一斉に非難したことでさらに炎上が広がりました。
Mrs. GREEN APPLEが伝えたいメッセージや風刺的表現などはあったかもしれませんが、どちらにせよ差別的だと捉えられるような「表現」をしたこと、炎上する可能性を関係者が指摘できなかったこと、国際問題に発展する可能性を孕んでいること、海外の企業であるコカ・コーラ社とのタイアップ曲であることなどが問題点として挙げられます。特に海外ではコロンブスに対する悪いイメージが日本より浸透しているので、日本語の歌詞を理解できない外国人がMVを見たらどんな反応をするかは明らかだと思います。