オークランドは賢いチームだよ。 好感が持てるチームでもある。資金力が低いので若い選手を育成して主力へ育てる傾向が強い。 オークランドの過去の成績はこのようなサイトで確認できる。 https://www.baseball-reference.com/teams/OAK/index.shtml 2012年から去年までの10年間でプレイオフへ6回出場している。プレイオフ出場は詳しい条件があるが5チーム（2022年からは6チーム）しか出場できない。15チーム中の5位以内を10年間で6回だよ。強いチームが弱いチームかと聞かれれば明らかに強いチームだ。 その10年間で、オークランドの年俸総額は30チーム中で25位が最高だった。それも2回しかない。このチームはコストパフォーマンスが恐ろしく高い。知恵がなければできる芸当ではない。 比較対象としてアナハイムの情報を示す。 https://www.baseball-reference.com/teams/ANA/index.shtml 去年のオークランドは86勝76敗と勝ち越しで地区3位だったが、今シーズンは開始前から最下位が濃厚と言われていた。主力を大量に放出したからだよ。 選手のサラリーは年を追うごとに上昇する。コストパフォーマンスは何もしなければ悪化することになる。資金力が低いオークランドにとっては致命的で、地区3位から上を目指す余地がなかった。 だからサラリーが上がる予定の主力を大胆に放出した。代わりに才能が高い若手を大量に獲得した。 トレードは価値が釣り合うから成立する。才能が高い若手を獲得するためには能力が高い主力を差し出さなければならない。若手を集め再建するには勝敗が3位で主力が十分揃っているうちに舵を切る必要があった。 最初に張ったリンクをもう一度確認して欲しい。 プレイオフ進出の最盛期とそれ以外の低迷期を周期的に繰り返している。今年のように主力を放出して意図的に順位を下げている。だが彼らにはしっかりした長期的な計画があり、実績が伴っている。 論理では分かっていても行動へ移すことができるチームは多くない。オークランドはそれができる数少ないチームだよ。 だから賢いわけだ。 蛇足を加えたいと思う。 MLBでは、地区最下位は勝負に敗れ去ってなる順位ではない。戦略があって意図的に落ちる場所が最下位だな。 もちろんそうでないチームもある。2022年のAL東地区は全チームが勝ち越しの可能性がある。勝ち越しでも最下位は最下位だ。 今年のオークランドのように意図的に順位を下げるチームがMLBには毎年何チームかある。秋山がいたシンシナティ、鈴木誠也が所属するカブスがそれに該当する。このようなチームは賢明と言っていい。捲土重来を狙っているからだ。 対して、散々カネを使ってチーム編成をしながら、意図的に落ちた最下位チームのすぐ上ぐらいにいるチームが最も愚かと言える。 その代表がどこかはすでに示した。 そのチームは、過去10年でチーム年俸総額が二桁順位へ落ちたことが一度もない。組織力の差は、オークランドに対して雲泥という形容がふさわしい。