民謡や小唄、端唄などの三味線では、伴奏楽器として発達したため、歌い手の声の高さに応じて三味線自体の調子を変えます。 調子を変えることで、どのようなキーになっても抑える勘所（ポジション）が同じになります。 洋楽のクラシックでは、ベートーベンの運命は 「交響曲第5番 ハ短調 作品67」であり、作曲家がハ短調で作曲をしていますので、どこの国のオーケストラでもそのキーで演奏します。 同様に、長唄や地歌では作曲者が本数を指定していますので、その調子に三味線を合わせます。 本数が変わってしまうと曲の雰囲気も変わってしまうので、作曲者の指定を守ります。 尺八は1尺八寸の竹管でD＝六本が基準となっていたので尺八というくらいです。 三味線も構造的に六本で調子を取った時が一番三味線らしい響きになります。 純邦楽では壱越の六本（D）を基準とすることが多いです。 私の場合、細棹の三味線を教えるときには6本（D）に、 津輕三味線を教えるときには5本（C＃）でチューニングさせています。