ネット上に広まっている情報が事実だとすると、安江さんは湯川さんが「死んでもいい」という発想はなかったみたいです。すると、殺人や殺人教唆の犯罪は「故意」がないので成立しません。問題は過失罪が成立するか、という点です。これは微妙なところでしょう。湯川さんが仮に処刑されるような最悪の事態が起こり、その処刑と安江さんの投稿との間に明確な因果関係があると証明された場合は過失致死（刑法210条）または重過失致死罪（刑法２１１条１項後段）に問われる可能性はあります。テロリストに拘束されている人質について、テロリストに情報を提供する事は、人質に不利な状況を引き起こる事は普通の人なら予見できるし（予見可能性）、また、安江さんはもともと無関係な第三者だからテロリストに情報を提供する義務もないからです。（回避可能性）。ただ、実際には、因果関係の証明は難しいかもしれません。なお、民事上の責任（民法709条）は問われる可能性は高いと思います。