当時のキリスト教の宣教師というのは、植民地化するための『先兵』であり、『神の救いとは無縁』が常識であり、これを踏まえておくことだ。
実につまらん小説。
キリスト教が禁止されていた日本に、何の準備もなく入り込んできた宣教師が、キリスト教徒への弾圧を見て、『神よ、救い給え』と祈ったが、神は『沈黙』していたという愚作。
まあ、遠藤醜作(狐狸庵)の愚劣さのわかる小説だ。
真に神が全知全能なら、キリスト教徒の弾圧にも、姿を現して助けただろう。
この辺で『神の御心はわからない』などという、逃げに入っているのが『愚作』たるゆえんである。
醜作は、臭作と遠藤周作は、自身の狐狸庵シリーズに自分で書いていた。
テーマは、『神を信ずることの無意味さ』でよい。
役に立たない宗教を信ずることの『愚劣さ』でよい。
なお、キリスト教は、宗教で住民を骨抜きにして、植民地化するための先兵であった。
植民地化されれば、下の中南米のように収奪され、虐殺され、奴隷化される。
ここを踏まえれば、この主人公の宣教師は、『自殺』するのが神の教えに背いて正しいとなるはずだ。
弾圧しなければ、日本もこうなっていた。
宣教師の善の名を借りた暴虐がテーマでもある。
代表的なコンキスタドールとしては、ペルーのインカ帝国を侵略したフランシスコ・ピサロや、アステカ王国を侵略したエルナン・コルテスが挙げられる。彼らはキリスト教の正義の名においてアメリカ先住民を教化するという大義名分のもと、領土拡大を行いアメリカ大陸の固有文明を破壊し搾取し、黄金を略奪した。またインディオの大量虐殺を行い、インディオ女性を武力を背景に強姦したり、強大な社会的、経済的力を背景に妾にするなどの淫行にもふけった。(例 コルテスはマリンチェを妾とし、更に多くのインディオ女性と性関係を持った。)しかし従軍した宣教師の中には中南米での虐殺・虐待を告発した者もわずかながらいた。
インディアスの破壊についての簡潔な報告 著 ラス・カサス , 著 染田 秀藤
岩波文庫
著者は、キリスト教宣教師として50年以上もキューバでの布教活動を行ったラスカサス。彼がその目で見た、ネイティブアメリカンに対する虐殺行為を広く世に訴える形の報告書となっている。
1400~1600年当時の中世ヨーロッパでは、公開処刑や拷問がごく当たり前のように行われていた時代である。現代人からすれば戦慄を覚えるような行為も、ある程度寛容される傾向があった時代であった。
しかしながら本書に書かれた記述は、そういった当時の風潮を鑑みても常軌を逸した狂気的な虐殺といわねばならない。
鉄球に縛り付けた上で、下からとろ火で何日もあぶり続ける、赤ん坊の足を持って岩に頭を叩きつける、誰が一刀で体を二つに切断できるか賭けをする・・・。その結果1500万人以上のネイティブアメリカンが殺された。
こうした行為が、何一つ正当な理由なく行われたというラスカサス自身の言葉は、非常に衝撃的である。
まあ、無意味・愚劣な遠藤周作賛美はやめることだな。
なお、遠藤周作は、キリスト教欧米社会に媚びへつらって、日本の悪口を書いて、ノーベル文学賞を乞食のように欲しがっていたのだ。