お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。 ① 血液検査は、何を調べますか？ 色々な項目がありますが、何が大切ですか。調べてみたら、外注検査というのは、何を調べるのでしょうか？私から「これも調べてください」とお願いしたほうがよいものはありますか？ 病院の先生にもよるのかもしれませんので、私の場合は、という基準で書かせて頂きます。 血球計算(赤血球や白血球)、BUN（腎臓の数値）、GPT（肝臓の数値）、GLU（血糖値）、TP（血液中の蛋白）、Na、K、Cl（電解質）、ウイルス検査（エイズ、白血病）を調べて、異常値があったら、それに付随する検査を追加します。 ウイルス検査は家に来て半年以上たってから一度やっていれば、必要ないと思います（それ以降外に脱走してないのなら） ②レントゲンとエコーの違いは何ですか？ レントゲンのとき、人間のようにバリウムを飲ませるんでしょうか。(嫌がる犬猫にどうやって飲ませるのかも教えてください) レントゲンで分かることと、エコーで分かることは異なりますので、本来は両方したほうが良いのでしょうが、エコーの場合仰向けにして、じっとしていてもらわなければいけないので、猫の場合性格によっては難しい場合があります。 通常はレントゲン検査をして、何か気になる点があったら、その部分を重点的にエコー検査する、などの方法が一般的かもしれません。 バリウム検査は嘔吐などの消化器症状がなければ健康診断ではまずしないと思います。 バリウムを飲ませた直後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後・・・という風に、何度もレントゲンを撮りますので、半日から丸一日かかってしまいます。 ③尿検査で、家から持参したおしっこは雑菌が入っていると見ました。病院でおしっこをとることはできますか。 膀胱に尿が溜まっていれば、圧迫排尿で出せるかもしれませんが、尿検査でまず見たいのは潜血（血が出ていないか）、蛋白、比重などですので、多少雑菌が混ざっていても最初の検査では問題ありません。 コットンに尿を染み込ませて持っていくか、それが無理ならペットシーツごと持っていくかすると良いかと思われます。 ④病院に連れていったらワクチンで防げない病気にうつってしまったと見ました。これはよくあることですか？健康診断は往診でもできますか？ よほど往診設備が整った特殊な病院でないと無理かと思われます。 聴診や触診はできても、往診では血液検査やレントゲン等は困難です（往診車を持っている動物病院というのは稀だと思います）。 ワクチンで防げない病気というと、寄生虫など接触感染が心配なものでしょうから、キャリーバッグなどに入れて連れて行き、診察室に入るまでは猫をキャリーバッグから出さないようにすれば、問題ないと思います。 少なくとも診察台は診察のたびに消毒しているでしょうから。 ⑤年とってから健康診断で気をつけることや、追加で調べたほうがよいことはありますか？ 上記の検査内容で、高齢の猫もひと通りカバーできると思います。 ただ、血液検査ひとつとっても、これ以外の検査が山ほどあり（ホルモン検査などもありますし）、これをなんの根拠もなく片端から検査していくというのは現実的には困難です（どれだけ血をとっても足りない話になってしまいます）。 高齢になった時に、上記の検査項目以外のものを調べる場合は、その時の猫の状態、症状に見合ったものを選んで、調べることになると思います（例えば、食べている割に痩せてきたという時は追加で甲状腺の検査をしたり、歩行の異常があったら各関節のレントゲン、心臓のレントゲン、アンモニア、カルシウムなどの血液検査を追加する…など）。 これはシチュエーション次第で検査は千差万別であり、さすがに獣医師にその選択を任せるべきかと思われます。 補足について エイズ、白血病はその場でわかりますか？ 検査キットを持っている動物病院でしたら、その場でわかります。 エコーはレントゲンより精密とか違いがあるのでしょうか。 エコーとレントゲンはどちらが精密というものではないのですが、レントゲンは全体像を見るには優れていますが、中の構造はわかりません。 エコーは中の構造などがよく見えますが、全体像を捉えるのが難しく、また骨や肺などエコーでは見えない臓器もあります。 妊娠診断で言うと、お腹の中に何匹入っているかを見るのはレントゲンのほうが見やすく、一匹一匹の胎児の心臓が動いているかどうかを見るのはエコーが優れています。 ちょっと語弊があるかもしれませんが、双眼鏡と顕微鏡のようなもので、山や森全体を見るのに顕微鏡は無意味であり、逆に細胞の構造を見るのに双眼鏡は意味をなしません。 それぞれにはそれぞれの異なった役目（見るべきもの）があり、どちらが精密とかどちらが良いというものではないのです。