12階建てで公営住宅となるとRC造でしょうから、主に問題になるのは叫び声（空気伝搬音）よりも走る音（固体伝搬音/床衝撃音）の方かと思われます。 また、大前提として、足音などの「重量床衝撃音」を軽減できる敷物は存在しません。 防音などを謳っているマット類も、そのすべてが「LL-〇〇」と書かれていますが、これは「軽量（Light）床衝撃音」に対しての効果を示す数値であり、足音など「重量（Heavy）床衝撃音」とはほぼ無関係です。 この程度の知識もなく無責任にマット（敷物）を勧める方が非常に多いですが、騙されないようにしましょう。 重量床衝撃音の軽減には床のコンクリートを厚くする以外に対策がなく、それは入居者の一存で行えるものではありません。 県営住宅には住宅確保要支援者（困窮者や障害者等）が路頭に迷わないためという目的もありますので、一般（民間）の集合住宅ほど注意されることは少ないかもしれません。 ですが、それはつまり上下左右の住人も要配慮者である確率が高く、易怒性や聴覚過敏などの確率も上がるということです。 ご自身で行える対策としては「なるべく外に連れ出す」「夜間は睡眠薬の使用を主治医と相談・検討する」「管理担当（供給公社など）に事情を話し1階が空いたら移らせて欲しいと頼んでおく」程度しかありません。 また、入居直後に粗品タオルの一つでも持って上下左右にご挨拶に伺っておくのも手かと思います。 「顔も知らない転居者が急に暴れ出した」というのと「低姿勢で挨拶に来た人の子供が障害特有の行動を取ってしまう」のとでは、相手に与える印象はだいぶ違います。