共テのボーダーラインを見れば、国公立大学間の難易度をおおよそ共通の尺度で見ることができます。同じテストを受験しているからです。偏差値が42.5(パスナビ)とか低く出ている田舎の国公立であってもボーダーラインで60%程度必要です。合格者平均は60%を超えていることでしょう。同じ試験で東大や京大は88〜90%程度のボーダーです。
ここからわかるのは、東大京大受験者が88点から90点くらい取る同じ試験で、偏差値42.5の地方国公立の受験者は60点を取っていると言うことです。これは、偏差値42.5の私立大学の受験生を連れてきても可能なことでしょうか? う〜ん。そうは思えません。
実際、偏差値42.5から45.0の田舎の国公立大学の合格者はGMARCH、関関同立クラスの私大入試で善戦します。日東駒専、産近甲龍クラスでは、当該国公立の合格者であれば大抵合格を勝ち取ります。GMARCH関関同立の下位は偏差値55.0前後だと思いますが、そのくらいの能力が偏差値42.5の田舎の国公立大学の学生にはあるようです。すると、偏差値42.5の地方国公立の受験生は、私大の偏差値で言うと55.0くらいの力があることになります。
GMARCH関関同立(偏差値55〜62)≧地方国公立(偏差値42.5)>日東駒専、産近甲龍 この不等式を成立させるには、田舎の国公立の偏差値42.5には、12.5を加えて補正する必要が出てきます(42.5+12.5=55.0)。
上位でも見てみましょう。田舎にある国公立大学医学部医学科の偏差値は62.5程度が表示されます(パスナビ)。GMARCHの入試では上位学部は同程度の偏差値が表示されます。ではGMARCHの学生は、地方国公立の医学部医学科の学生レベルなのでしょうか? GMARCHの学生には地方国公立の医学部医学科なんか簡単? そうは思えません。やはり、仮に偏差値の数値が同じものであったとしても、これは別物だとしか思えません。この辺りの偏差値帯では、国公立の偏差値にたぶん5.0くらい数字を付け加えるのが私大の偏差値と比較する上では妥当に見えてきます。
私大の学生数は、国公立の5倍だそうです。多くの卒業生がいて活躍し、日本の社会を支えています。その結果、私大の評価が上がりマイナス面を語る人がいないのは自然なことです。しかし、偏差値の数値を同じものであるかのように単純視して比べるのはどうも間違っているようです。
そもそも、偏差値というのは特定の母集団の中での偏差、偏りを示す相対的なものです。国公立間での相対的な偏りの位置を示す数値を私大間での相対的な関係を示す数値と同じものだと考えるのは間違いだろうと思います。これは図を並べて見ればわかることで、上辺と底辺の関係は相対的で、大雑把に考えるとそれぞれの図形で上辺はおおよそ偏差値65〜67.5くらい底辺はおおよそ偏差値42.5〜45くらいになってしまいますが、全く別の図形です。入試の合否の様子から一緒に並べてみると、国公立の底辺42.5〜45.0は、私大偏差値の55.0前後のあたりにありそうです。
以上が、私が実感したり考えたりしていることです。