前田の蹴りに戸惑いつ、佐竹に対する安田のように前田をロープに押し込む天龍。そんな展開が数回。 業を煮やした前田、ブレイク後に何と掌底を！天龍に前田の掌底連打がヒットする。 しかし前田は忘れていた。天龍のデビュー当時の得意技を！ 前田の掌底をひとしきり受け切った後、そのままオリジナル天龍チョップ、突っ張りで再び天龍は前田をロープに追い込む。 ロープ際で天龍 「土俵だったらお前もう何度も割ってるぜ」 顔を真っ赤に怒り心頭の前田、天龍を右手で押してからの左ハイキック！ 対角線のコンビネーションが決まる！ ・・・と思いきや天龍、腰を落とし後ろ足でマットを蹴った力をそのままに前足で前田の右軸足にケタグリを決める！ スッポーンとたまらずダウンした前田、覆い被った天龍の今度はラッパが決まる！ 「く、苦しい」遠のく意識の中、パンパンとマットを叩く音が！ まず天龍がレフェリーにマットを叩いてカウントを取るように促し、慌てたレフェリーがその後にカウントスリー。 「落として負けとしなかったのはせめてもの武士、力士の情けと取ってくんな」と天龍、試合後の握手の際に前田にそう呟いたという。