https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/menkyo/menkyo20220314_68.pdf 警察庁の運転免許課長名で令和4年に発行された 病気にかかわる運転免許事務に関する改正留意事項 についての文書です。 このときの改正留意事項としては、病気により取得できない条件は以前と変わっていませんが、病気を正しく申請していなかったときの罰則が厳しくなったという内容ですね。（1年以下の懲役または30万円以下の罰金） そのうえで、この書類にもてんかんついて具体的に書かれていますが… ２ てんかん（令第33条の２の３第２項第１号関係） (1) 以下のいずれかの場合には拒否等は行わない。 ア 発作が過去５年以内に起こったことがなく、医師が「今後、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合 イ 発作が過去２年以内に起こったことがなく、医師が「今後、ｘ年程度であれば、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合 ウ 医師が、１年間の経過観察の後「発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合 エ 医師が、２年間の経過観察の後「発作が睡眠中に限って起こり、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合 ここに断薬の期間は書かれていません。 つまり法律的に断薬の期間は関係ないと言えます。 ただし、重要なのはここ。 ・医師が「今後、発作が起こるおそれがない」 ・医師が「今後、ｘ年程度であれば、発作が起こるおそれがない」 旨の診断を行った場合 つまり法律上、今後発作が起きないことを、医師が認める必要があるわけです。 2年間という数字は、イ項 からきているのかもしれませんが、それ自体は法律ではなく、主治医側の見立てとしてそれくらいの期間が必要だということでしょう。 実際、これまでは薬で抑えられていただけかもしれないのだから、断薬してすぐに運転できますよとはなりません。断薬後の経過観察が必要です。 引き続き薬を飲み続けるのであれば、あるいは主治医も認めるかもしれませんが、しかし、飲み忘れによる事故なども実際に起きていることを考えれば、責任ある立場として主治医の断薬後2年という判断は妥当かと思われます。 主治医が法律で決まっていると言った真意がどこを指しているかは不明ですが、医師の診断に従うことは法律で決まっていますから、その点で間違っているとは言えませんね。