まず旧約聖書はユダヤ教の正典です。ユダヤ教徒にとっては神との契約や歴史、律法、予言が記された重要な書物であり、それをキリスト教も継承して正典としています。 そして新約聖書はキリスト教だけの正典で、イエス・キリストの生涯、教え、使徒たちの活動が記されています。キリスト教では旧約聖書と共に、イエスに関する新約聖書と併せて正典です。 中身の違いですが、旧約聖書は 創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記などの律法、歴史書、詩篇、預言書などから成り立っています。それに対して新約聖書は４つの福音書と使徒行伝、パウロの書簡、その他の使徒の手紙、黙示録で構成されています。 旧約聖書はイエス・キリストの誕生前から存在しており、ユダヤ教の正典として大切にされてきました。これに対して、新約聖書はイエスの生涯と教えを記録するために後から編纂されたものです。 そして反発に関してですが、ユダヤ教徒にとって、旧約聖書が唯一の正典であり、新約聖書を受け入れることはありませんでした。このため、初期のキリスト教は多くの迫害や反対に遭遇しました。 聖書の名前ですが、「旧約聖書」という名称は、新約聖書によって後から付けられました。元々は旧約聖書が唯一の聖書であり、ユダヤ教では今でも唯一の聖書です。そして新約聖書を持つキリスト教では、後から旧約聖書と呼んでいるわけで、ユダヤ教は今でも「聖書」です。