ご質問のポイントは、大量の有線LAN接続端末(数十台レベル)がある状況で、光1Gbps回線を用いてWebブラウジングのレスポンス改善が期待できるか、さらにNATセッション数と推奨接続台数、およびPPPoE接続・V6プラス接続の違いがどのような影響を与えるか、という点になります。
各候補の概要:
TP-Link C5400 (現行利用中)
NATセッション数: 約40,000
推奨接続台数: 64台
接続方式: PPPoE
一般的な家庭用ハイエンドルーター
Buffalo VR-U300W (法人向け)
NATセッション数: 約65,535
推奨接続台数: 40台
接続方式: V6プラス
法人向けルーターで信頼性・安定性重視の設計が想定される
Buffalo WXR18000BE10P (家庭用最新ハイエンド)
NATセッション数: 約32,727
推奨接続台数: 63台
接続方式: V6プラス
最新規格対応で家庭向け高性能モデル
考慮すべき要素:
NATセッション数:
多数のクライアントが同時に多くのWebページやクラウドサービスへアクセスする場合、NATセッション数が多いほど「同時接続」の余裕が大きくなります。これは、高並行アクセス時の応答性に有利に働きます。
1)が40,000、2)が65,535、3)が32,727と比較すると、2)のVR-U300Wが最も多くのセッションを捌くことが可能です。
接続方式 (PPPoE vs V6プラス):
PPPoE接続は、特に光回線終端装置(ONU)側とのやり取りでオーバーヘッドが発生しやすく、混雑時にはPPPoEセッションの輻輳が起きやすいという報告が一般的です。
一方、V6プラスはIPv6 IPoEベースで、従来のPPPoEよりも混雑が起きにくく、レイテンシ低減や回線実効速度向上が期待できます。特に大規模同時アクセス時にはV6プラス接続が有利に働く可能性が高いです。
ルーターの品質・設計思想 (法人向け vs 家庭向け):
法人向けルーター(VR-U300W)は、安定性や長時間稼働での安定性、複数端末同時アクセスでの堅牢性などに重点が置かれています。推奨接続台数は40台とされていますが、これはメーカー側の想定利用環境での一応の目安に過ぎないことも多く、「信頼性重視」のためやや保守的な数値として提示していることがあります。
家庭用ハイエンドルーター(WXR18000BE10P)は、高速無線LAN性能や最新規格対応などに強みがありますが、非常に多数の有線端末を安定して管理するという点では、法人向けほどチューニングされていない可能性があります。
推奨接続台数と実効性能:
推奨接続台数は、あくまで「これくらいまでなら通常想定動作が安定」という目安であり、NATセッション数・CPU性能・ファームウェアの品質・メモリ量などで実用上の限界は左右されます。
単純な「推奨接続台数」ではなく、「NATセッション容量」「CPU処理能力」「ファームウェアの安定性」「接続方式(V6プラス)」が実際のブラウジングレスポンスを左右します。
総合的な判断:
現在の環境(1:C5400 PPPoE)は、すでに64台推奨で40,000セッションと悪くないスペックですが、PPPoEによる混雑がボトルネックになりやすく、大量の有線LANクライアントが同時アクセスした場合、レスポンス低下が起きやすい傾向があります。
2)のVR-U300WはNATセッション数が65,535と最大で、かつV6プラス対応の法人向けモデルである点が大きな強みです。法人向けはCPUパワーやメモリリソースが潤沢な傾向があり、また長時間安定稼働を前提とした設計が期待できます。推奨接続台数は40台と控えめですが、実際には多くのセッションを安定して処理できる可能性が高く、「数十台同時アクセスによるWebレスポンス改善」という目的には非常に有利と考えられます。
3)のWXR18000BE10PはV6プラス対応で、NATセッションは約32,727と十分な数であり、推奨63台となっています。最新モデルとして高速LAN・無線性能にも優れますが、2)に比べてNATセッションが少ない点は大量同時接続時に若干不利な可能性があります。また、「法人向け」の安定志向設計と比較すると、ファームウェアの安定性やトラフィック制御については2)ほど重点が置かれていない可能性があるでしょう。
結論:
有線LAN接続台数が多く、大量のセッションを安定して捌き、Web閲覧のレスポンス向上(特に混雑時の遅延軽減)を期待するのであれば、V6プラス接続かつNATセッション数が多く、法人向けで安定性が重視された2)のBuffalo VR-U300Wが最も有利である可能性が高いと考えられます。