この時点でハリーがウィーズリー家に居候していることは秘密です。騎士団のメンバーしか知りません。騎士団はハリーの所在をはっきりさせないことでヴォルデモートから守っていたのです。
誕生日の数日前に「七人のポッター作戦」があったのは、ダーズリー家を離れたハリーがどこに行くのかを秘密にするためでもありました。映画では直接ウィーズリー家に移動していますが、原作では7人のハリーがばらばらの方向へ飛び立ってヴォルデモート陣営をかく乱し、別々の場所を経由してウィーズリー家に移動しています。スネイプはヴォルデモートに「ハリーは騎士団の誰かの家に移動する」とだけ報告していましたから、ヴォルデモートはハリーがウィーズリー家にいるのを知りません。
結婚式には騎士団以外の魔法使いも集まります。結婚式を執り行う人(マグルで言えば神父)、近所の住人(ルーナ父子も含まれる)、ウィーズリー家の親類、フラーの両親、そしてフラーの招待でビクトール・クラムも原作では列席しています。もしハリーが変装していなかったら、そのうちの誰かが、悪意がなくてもハリーの所在をしゃべってしまうかもしれない。
そのため騎士団は赤毛のマグルの髪の毛を手に入れ、ハリーは「ロンの架空のいとこ」のふりをしました。
結婚式とほぼ同時に魔法省がヴォルデモートに乗っ取られ、ウィーズリー家が襲われましたが、騎士団以外の人たちは、ハリーがその場にいたことを知らずじまいでした(「死の秘宝」11章のルーピンのせりふによる)。