少し長くなりますが、具体例を挙げて説明します。 まず、製造間接費だけでなく材料や仕掛品にも予定価格というのは設けられます。 ご存知の通り、実際額が確定する前に消費量が確定した時点で 実際数量×予定価格で金額を求めます。 確かに差異を求めるために後から実際額の計算を行いますが、 例えば、 25日には月末の計算を終わらせて書類作成に行きたい。でも31日にもまだ入荷予定のものもある。 また、今月消費した量もしくは消費予定量は31日時点で100個分ある。でも今までで入荷してきたものは『2日に20個＠200円』『10日に40個＠300円』『20日に『60個＠250円』『31日に10個＠200円』→月末余り30個 この時、31日時点で今月消費する量100個に対してどの仕入れ価格を用いればいいのかわからん。 だから予定価格をきめ、31日を待たずに先に計算しておけるのです。 その後、棚卸計算法や継続記録法などで月末在庫の価格と量を把握し、予定との差異を分析します。 ここで出た差異は実際価格に達していない不足した金額、もしくは超過した金額になるので、売上原価へと直接配賦されます。 また、基本的に費目別計算は材料→（製造間接費）&仕掛品→製品（売上原価）へと原価が流れます。 この製造間接費の時点で実際発生額を待っていたら、仕掛品は月末になってからようやく原価を受け取り、さらにそこから計算した原価を製品は待ち続けることになります。 そのため予定原価という概念が必要になってくるわけです。