内田裕矢はあれだけ自己顕示欲が強くて個性的な人物であったにも関わらず、裏方として長年日本のロック界を支え続けたことが素晴らしいと思います。 伝説の「郡山ワンステップ・フェスティバル」や、もう50年続いている「ニューイヤー・ロック・フェスティバル」は、 当時ライブハウスなども日本にほんの少ししか無かった時代に、 「若いバンドやアーティスト達が演奏する場所を作りたい」 との思いで彼が発起人となったそうです。 またファニーズ(後のザ，タイガース)、キャロル、チャーや金子マリが在籍したスモーキー・メディスンなどの有望なアマチュアバンドに声を掛けたり、実力があるのにセールス的に苦戦していた桑名 正博率いるファニー・カンパニーを後押ししたりしていました。 グループ・サウンズ時代には「内田裕也&フラワーズ」を結成し、フラワートラベリン・バンド(FTB)へと発展しました。 FTBは日本のバンドで初めてアメリカのメジャーレーベル(アトランティック・レコード)と契約して、日本のロック史に大きな足跡を残しました。 また少し前ですが、クリエイションの竹田和夫がインタビューで、 「アルバムの制作には裕也さんに随分とお世話になった。世間ではへんなオジサンだと思われているけど、裕也さんに世話になった人は多い。」と言う内容の事を仰られていました。 また日本の若者にホンモノを聴かせたいと、様々な海外アーティストの来日に尽力したと言われています。 単に人気バンドだけで無く1976年に行なわれたフランク・ザッパの唯一の来日公演も、 ザッパが日本で知名度が低いにも関わらず、裕也さんの熱意で実現したと聞いたことがあります。 そもそも内田裕也を「ヒット曲が無いロッカー」とか言って馬鹿にする人って、大抵ロック素人の人な気がしますが...