イギリスやフランスでは、日本やアメリカと異なり、「三大義務」や「三つの基本的な権利」といった形で国民全体に広く認識されている具体的な「三つ」を定めたものはありません。しかし、それぞれの国には歴史や法律、文化的背景に基づいた重要な価値観や権利があり、以下のようなものが挙げられます。 イギリス イギリスでは、歴史的な憲法文書や法の支配の理念から、次のような権利や価値観が国民に浸透しています： ①法の支配（Rule of Law） 法は全ての人に平等に適用され、政府であっても法の上に立つことはできない。マグナ・カルタ（1215年）や権利章典（1689年）がその基盤。 ➁自由の権利（Rights to Freedom） 個人の自由や表現の自由が尊重される。 他人を傷つけない限り、思想・宗教・集会の自由が守られる。 ③議会制民主主義（Parliamentary Democracy） 国民は選挙を通じて政府を選ぶ権利を持ち、政府は国民に対して説明責任を負う。 フランス フランスでは、フランス革命（1789年）で生まれた「人間と市民の権利の宣言」に基づき、次の3つが基本的な理念として広く知られています： ①自由（Liberté） 個人の自由、表現の自由、宗教の自由などが含まれる。 政府による不当な干渉を受けない権利。 ➁平等（Égalité） 全ての人が法律の下で平等であること。 社会的地位や出身に関係なく、平等な機会を享受する権利。 ③友愛（Fraternité） 社会的連帯や共同体意識を重視し、他者との調和を図ること。 フランスの社会保障制度や市民活動の基盤となる価値観。 比較 イギリスでは「法の支配」や「議会制民主主義」が重視され、歴史的文脈を反映した権利や義務が国民に浸透しています。 フランスでは「自由・平等・友愛」という革命の理念が現代の国民意識や社会制度に大きな影響を与えています。