相対性理論の2つの原理である「相対性の原理」と「光速不変の原理」は矛盾していません。 ・「相対性の原理」とは、すべての等速度運動系において物理法則は同じであるということです。つまり、運動する観測者と静止する観測者では、物理法則の適用に違いはありません。 ・一方「光速不変の原理」は、真空中を伝わる光の速度は一定で、観測者の運動状態に依存しないということです。 これら2つの原理は、ニュートン力学の前提とは異なる新しい前提ですが、互いに矛盾するものではありません。むしろ、この2つの原理から相対性理論の重要な結果が導かれます。例えば、時間の遅れや長さの収縮などの相対論的効果は、この2つの原理から自然に導出されます。 つまり、相対性理論においては、「信じる」ことではなく、2つの原理から論理的に結論が導かれているのです。