「帰属未定」と言うのは、あくまで日本側の立場で言っているだけで、国際的には無視されていますし、当の日本も真面目にそう思っている訳ではありませんよ。 第二次大戦の講和条約であるサンフランシスコ平和条約で、日本は朝鮮や台湾、南樺太や千島などを「放棄」させられましたが、その際に日本はただ「放棄」をしただけで、そこをどこの国が継承する(した)かについては何も言及をしていません。そして、具体的な領土の「その後」については各国との個別の条約で確定させる(させた)のですが、当時のソ連は平和条約に調印しなかったので、台湾や朝鮮とは違い、南樺太と千島をソ連が支配することについて、日本が方針を明確にする機会が無かったのです。 以後、ソ連が崩壊して当事国はロシアとなりましたが、引き続き平和条約が締結されていないので、領土についての日本の立場は「帰属未定」のまま、と言う事です。 もちろん、そこがソ連=ロシアの実効支配地であることは日本も理解していますし、南樺太・サハリンのユジノサハリンスクには日本の領事館も存在します。別に南樺太や千島のソ連・ロシア領有にケチをつけている訳ではありません。日本がケチをつけ続けているのは北方四島だけですからね。ただし、それはそれであり、公式な立場は別だ、と言うだけです。当然、ロシア側は「未定だ」などと言う妄言は取り合いませんので、未定なら返せ、などと言う話には乗ってきません。