梨花妃と玉葉妃は現帝の寵愛を奪い合う敵同士なので、わざわざ梨花妃に「白粉が毒かもしれない」なんて伝える義理は元々ありません。 寵愛で勝つ玉葉妃と、皇族の遠戚で玉葉妃より血統も家柄も高い梨花妃はお互い関わらないように過ごしていたので、罵倒されると分かりながらも伝えに言ったのは寧ろ甘すぎるぐらいです。 あの時点では玉葉自身も誰が書いたか分からないメッセージに半信半疑でしたし、壬氏に伝えても結局赤子が死んでしまえば玉葉妃の自作自演ではないかと周りから疑われる可能性もありました。 玉葉妃は寵愛を独占している事に加え、異国人とのハーフで偏見の目で見られる事も多かったので。 それに後宮では自分の事は自分で何とかするのが基本で、無闇矢鱈と助けを求めれば上級妃として面子が丸つぶれになりますし、他の妃に見下されたり弱みをつけ込まれる事もあります。 だから里樹妃のいじめも放置されていましたし、壬氏たちが把握してからも「里樹妃本人が虐めを対処しないと意味がない」と見守るだけです。