憲法の職業選択の自由に反する部分はあるので、少なくとも服務規律的には効果があると言う程度ですね。 ただし、退職金は減額されるケースがあります。 退職後の競業避止義務については、労働者に職業選択の自由があるので、契約上特別の法的根拠が必要となります。 就業規則には競業禁止期間、禁止される競業行為の範囲、場所などを規定しておくことが必要になります。 参考になる判例として、東京ゼネラル事件があります。 商品取引所における貴金属等の上場商品の売買および売買取引の受託業務等を主たる業務とする会社に勤務していた支店長が，満足な引継ぎもせずに退職し，競業会社に就職したため，会社は，同人が退職する直前に改定された就業規則 （この内容は，部課長らの退職後１年内の承諾なき競業禁止） を，退職金の支給制限事由とする新退職金規程に基づいて，退職金を減額して支給したため，当該退職者が退職金の残額を請求した，というものです。 就業規則の不利益変更の必要性が認められ，かつ，変更内容が相当なものである場合に該当し、就業規則の変更は有効であると判断されました。