前の方のご回答のように、ふつうは「おひとつどうぞ」という言い方をすることが多いと思います。 この場合の「おひとつ」は数詞ではなく、副詞と考えられ、 「ひとつやってみましょう」と同じ用法で、「ちょっと」「ためしに」という、「何か思い立ったときに軽い調子で言う語」 にあたります。 そういうことを言おうとしたのと、「少し」ということを言おうとしたのとがいっしょになって 「おひとつですけど、どうぞ」とおっしゃったのでしょう。 いずれにせよ、この「ひとつ」は単にその物の数量をあらわしているだけでなく、 くれた方の「気持ち」をあらわす語だと受け取ってください。 「××を３つ差し上げます、どうぞ」では、どうもぎこちないですね。 「おひとつ」は、柔らかく、事務的でなく、謙虚で、よい表現だと思いますよ。