●気管支喘息と咳●
*夜間~早朝の症状増悪に関しては、
気管支喘息、咳喘息、臥位ガイ直後の増悪は心不全。
睡眠障害のない場合は、感染症の事が多いです
▲「喘息」▲について
「喘息」は喘鳴を生じる患者さんに全て考慮します。
小児の時、成人初期に典型的な発作性喘鳴で始まります。
たいていの喘息患者さんは、アレルギー、喘息の家族歴が
多いです。
喘息は4つの分類をします。
①軽傷間欠型=週2回以下の発症。夜間は月2回以下。
②軽傷持続型=週3回以上の発症。夜間は月3回以上。
③中等症持続型=毎日発症。夜間は週2回以上。
④重症持続型=持続的、身体の活動の制限、頻回の増悪、
頻回の夜間発症。
*それぞれの努力呼気肺活量、最大呼気流量が違います。
*小児において初回の診断としては慢性気管支炎は稀なので
咳や喀痰が慢性にある基礎疾患については、嚢胞性線維症、
免疫不全症、繊毛異常運動症候群との鑑別が大切です。
*乳児喘息(2才未満)はその解剖学的、生理学的理由により
年長児よりも気道狭窄がつよくあらわれ、症状の進行が速い。
▲咳について説明を記します▲
★咳について★
*文面だけでこの病気と言えませんので、
一般の「咳」の分類を記します。
①3週間以内の「咳」を急性咳嗽。
②3~8週間は遷延センエン咳嗽。
③8週間以上は慢性咳嗽。
と言います。
▲遷延性と慢性咳嗽の原因を湿性咳嗽と乾性咳嗽に分類します。
▲1週間以上の、持続咳嗽は胸部X-線撮影は必須です。
*経過*
①の急性は感冒、急性気管支炎、肺炎等の感染症。それ以外は
気道異物、気胸、クループ、気管支喘息、間質性肺炎の増悪、
うっ血性心不全、刺激のあるガス吸入等が原因となります。
②遷延性、慢性の3週間以上持続する咳は感染よるものは少ない。
8週間以上持続すると、咳喘息、アトピー咳嗽、後鼻漏の事が多い。
●咳●
*咳が長く続き、夜も眠れないと訴える患者の背後には、マイコプラズマを
はじめとする感染症から、咳喘息などのアレルギー疾患、肺癌・結核などの
重篤な疾患まで様々な疾患が隠れている。
*感染性咳嗽の原因として多いのがマイコプラズマ、百日咳、肺炎クラミジアです。
*マイコプラズマ肺炎にはH.25年8月マイコプラズマ迅速診断キットが
保険収載されました。
*咳の持続期間が3週間未満であり、①感冒様症状が先行している、
②咳嗽が自然軽快傾向である、③周囲に同様の症状の人がいる、
④経過中に性状の変化する膿性痰が見られる。
①~④のいずれかが当てはまれば感染性咳嗽を疑い、咳嗽の強度がピークを過ぎて
いなければ、マイコプラズマや百日咳、肺炎クラミジアなどを疑うとある。
●医師の立場で考えると●
*成人の長引く(2週間以上続く)咳の訴えに「自分で対処できている」と答え
た医師は16.4%でした。「まあまあ対処できている」と答えた60.5%と合計する
と、8割近くが長引く咳に自分で対処できていると考えていました。
* 長引く咳の原因は、呼吸器疾患とは限らない。
「自分で対処できている」医師では、胃食道逆流症(GERD)を疑って
プロトンポンプ阻害薬(PPI)を選択する医師が約20%いた。
PPIの処方は、「まあまあ対処できている」医師では約11%、
「専門医に紹介することが多い」医師では約4%で
、自分で対処できている医師ほどPPIを選ぶ医師が多かった。
● 長引く咳を主訴に受診した患者で経験した、思いがけない疾患は●
①最も多かったのは肺結核、気管支結核をはじめとする結核だった。
結核に次いで多かったのは②肺癌です。
[予想外のその他「思いがけない疾患]としてイ)喉頭癌、ロ)肋骨骨折による血気胸、
ハ)入れ歯の気管支異物、二)甲状腺機能亢進症。腫大した甲状腺により気管が圧迫、
ホ)好酸球性肺炎
へ)長引く咳、発熱の症例で、急性白血病と診断した患者がいる。
ト)風邪と診断され、長期治療を受けていた患者が、マクログロブリン血症だった。
チ)高齢者では時々、心拡大やむくみのない心不全のこと。
以上を参考にして、今の症状を医師に伝えてください。
早く治ると良いですね。
楽しいクリスマス、新しい迎春の前に治りますように。