事故の内容としては、 事故を起こした、高齢男性も事故で亡くなられていますので、 亡くなった後の後始末として、遺族が責任追及されて、 損害賠償を払う必要がありますという 判決が出たケースです。 認知症対策は、きちんとやらないといけないってことです。 従来は、「高齢者だから仕方ない」 などと考える人も、 介護や医療の仕事の人だって多くいるくらいで、 余りにも、甘すぎる対策や対応しかしてなかったですし。 元の新聞記事のニュースの文章をよく見ないと、 誤解の元でしょうから、後半で、引用して付けておきます。 http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000900/hpg000000822.htm 認知症の 「自立度 IV (4) 」 となると、 特養などに入っていないといけない段階とも言えます。 上に付けた、ＨＰの説明に出てきます。 まだ今の日本の介護制度だと、 歩き回れたりする認知症の高齢者の人を、 要介護度を低く判定してしまう場合もあるので 注意がまだ必要ですが、 「 要介護４ 」 と置き換えて考えるとしたら、 要介護４とか要介護５ (5が最大) ともなると、 特養や老健などの施設に入りっぱなしということも、 多い段階になります。 申し込んでおけば、要介護の低い人より優先して 入れるなどの状態と書くこともできます。 だから、「施設に入れるべきで、そうやって徘徊防止を」 という裁判所（地裁判決ですから）の判断も有り得ますよ。 要介護４だったら、在宅介護でも、 ヘルパーさん利用や、デイサービス利用や、 かなりの頻度で介護サービス利用もできます。 しかし、この判決のケースは、 サービス利用を怠って、無理して高齢な奥さんが 老々介護してた末に、目を離して徘徊で、 鉄道事故を起こしてしまい、損害賠償を請求されて しまったという話です。 （鉄道など以外に、他人への迷惑行為や器物損壊や、 様々な問題を、徘徊老人が引き起こすのは、 毎年毎年、数多くある事件や事故などですから） 施設でも在宅でも選択肢はあるのでしょうけど、 介護サービスは、きちんと利用しましょうという 話にもなってくるわけです。 （利用しない自由ももちろんあるが、 それだったら、自分たちの自己責任でなんとか することになります） では、以下は記事の引用を付けておきます。 ---------- 認知症男性、線路に入り死亡 電車遅れで遺族に損賠命令 2013/8/10 2:12 認知症の男性（当時91）が線路内に立ち入り電車と接触した死亡事故で、 家族らの安全対策が不十分だったとして、 ＪＲ東海が遺族らに列車が遅れたことに関する損害賠償を求めた訴訟の判決で、 名古屋地裁（上田哲裁判長）は９日、 男性の妻と長男に請求全額にあたる約720万円を支払うよう命じた。 判決によると、男性は2007年12月、 愛知県大府市のＪＲ共和駅の線路に入り、 東海道本線の列車と衝突して死亡。 男性は同年の２月に 「常に介護が必要」とされる「認知症高齢者自立度４」と診断されていた。 上田裁判長は、同居していた妻が目を離した隙に男性が外出し、 事故が発生したとして「妻には見守りを怠った過失がある」と認定。 別居している長男についても「事実上の監督者」とし、 「徘徊（はいかい）を防止する適切な措置を講じていなかった」とした。 男性の家族らは、妻は事故当時85歳で、 常時監視することが不可能だったなどと主張。 しかし上田裁判長は、 介護ヘルパーを依頼するなどの措置をとらなかったと指摘。 「男性の介護体制は、 介護者が常に目を離さないことが前提となっており、過失の責任は免れない」 とした。 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD0902J_Z00C13A8CN8000/ 今後も、同様な判決が増えてくることもあるでしょう。 認知症高齢者対策の、徹底が今後は必要です。 家族側や、介護サービスや医療の提供側でも、 今後は、無責任な甘い対応は許されないのだと、 よく考えていくほうがいいです。