呉慶が亡くなった蛇甘平原の戦いが紀元前245年で、廉頗vs蒙驁の山陽の戦いは紀元前242年です。魏火龍の筆頭とも言うべき呉慶の死は魏からすれば予測不能でしたでしょうし、たった3年で呉鳳明は父の軍を受け継いで使いこなすことはできなかったのではないでしょうか。 また、秦は七雄で最も強い国であり、蒙驁は列国に名を轟かす大将軍です(実は凡将という設定ですが、対戦した経験とかでも無い限り戦果から見れば名将に見えてしまう)。仮に呉鳳明がこの3年の間に父の軍を使いこなせるようになったとしても、将軍としての経験が浅い呉鳳明がそんな強敵との戦に駆り出されることは考えにくいのではないでしょうか。 賊の討伐や小国との小競り合い程度ならやっていたかもしれません。 ちなみに、古代中国には儒の考えに基づいた丁憂という制度があり、父母が亡くなってから3年の間は出仕せずに喪に服さねばならないという決まりでした。とはいえ、急事には奪情といって丁憂を行わせないという制度がありましたし、儒が浸透するのは漢代からのイメージですから、先秦時代の魏国でどうだったかは分かりません。なので、こちらは決定的な理由とは言えませんね。