ハリーのことは、最後まで嫌いだったと思います。ハリーを守ることが愛するリリーの最後の願いだったから、リリーの遺志を大切にしたかっただけで。 映画には出てきませんが、「謎のプリンス」と「死の秘宝」の間の時期に、誰もいないブラック家にスネイプがやってくる場面があります。シリウスの部屋で赤ん坊のハリーが両親と写っている写真を見つけたスネイプは、写真を半分に破ってジェームズとハリーが写っている方を投げ捨て、リリーがいる方だけを持ち去ります。憎いジェームズにそっくりのハリーの顔は見たくなかったのでしょう。たとえ写真であっても。 といっても、スネイプがリリーのことしか考えない自分勝手な男だったというわけではありません。 「謎のプリンス」の時期、ダンブルドアはスネイプに「学校がヴォルデモートの手に落ちたら、全力で生徒たちを守ってほしい」と頼み、スネイプは承知します。「死の秘宝」の時期に校長になってからは、ヴォルデモートの忠実な部下を演じながら実は生徒たちやマクゴナガル先生を守るという、難しい任務を続けていたのです。