ヒマさえあれば映画を見るという日々を送っております。『2001年宇宙の旅』は計6回見てるんですけど(ちなみに全て劇場での "再上映" です)この映画はわたしにとって、映画についての良し悪しの判断基準になってます。
どうせ観るなら、これぐらい歯ごたえのある、説得力のある作品に当たりたいと常に思っていますし、ちがう言い方をすると、この映画は「ポテンシャルが高い」です。解説本も数冊読みました、初鑑賞のときに買ったパンフにも非常な愛着を持ってました。数十年を経て、それでもまだコダワっていたいと思う映画です。
そんなわたしの、以下は私見です。
この映画のテーマは闇です。石版=モノリスの「黒」がそれを象徴しています。宇宙は暗黒の空間です。いっぽう、人類の文明は「白」で表現されてます。宇宙船はみな白いです。船内は明るいです。登場人物も全員白人。最初の類人猿のシーンは不毛の大地とうつりゆく空という太古のイメージですが、投げる骨が白いです。
ちなみに、HAL9000の回路を1つ1つ外してゆくシーンは(たぶん唯一)真赤です。これは血液の赤、つまり殺害を意味してると思いますが、このシーンの後が(最後の方のシーン)スターゲートと呼ばれるシーンになります。
あれを、わたしは単に妄想だと思ってます。黒と白だけだったセカイに赤が加わったことで「均衡(バランス)が崩れた」瞬間を描いていると考えたり、「黒」や「白」をジーーーーーッと見つめているうちに感覚が狂って、なんだか妙なモノが見えて来たり、アタマに浮かんだりする、それを描いてるのかなぁと考えたりしてます。
それが「四次元世界」という言葉で表される現象なのかも知れませんから、"はい、おっしゃる通りです" とお伝えするべきかも知れません。