使用料が発生していれば賃貸借契約ですが、無償の場合は使用貸借契約です。 この場合、極端には、質問者さまが、貸している人の合意を得ることなくAに売却し、Aが借りている人に即刻立ち退けと命令すればいい話です。 しかし実際にはAは、土地の取得の条件として先に立ち退かせてくれと言うでしょうし、ご質問の様子からは貸している人とトラブルになるでしょう。 そこでこのトラブルを回避する方法ですが、、 ①畑としての使用自体、口頭ベースの取り交わしで契約書締結はしていませんが、契約終了の合意書を取り交わすことに応じる必要はあるのでしょうか? 「必要があるかどうか」とおっしゃるのは、そのことに消極的なようですが、これは是非つくってください。 作成するのは「契約終了の合意書」というより、今からでもよいので「使用貸借契約書」です。 そして次の３点を明記します。 ・使用期限 令和7年＊月＊日まで。同日をもって退去することとする。 ・土地の使用方法 畑としての使用に限定することとする。 ・原状回復 使用期限日までに乙（借主）は、乙の責任において土地を原状回復し、甲（質問者さま）の承認を得なければならない。 なお、現状回復にかかる費用はすべて乙の負担とする。 ここで原状回復は、仮に賃貸料が発生している場合でも借主側の義務ですから、質問者さまはいっさい負担することはありません。 そしてこの「使用貸借契約書」の内容に相手が不服があるのなら、契約自体が成立しません。 貸借契約が成立しないということは、貸す必要がないということになるので、借りている人は「納得できない」なら、その時点で直ちに原状回復して立ち退かなければなりません。 そうでないと不法占拠となります。 ②また、本件の場合、立ち退き料の支払いに応じる必要はありますでしょうか？ 応じる必要なしの場合、その考え方をご教示願います。 必要ありません。 収穫が終わるまで待てるなら待ってあげてもいいですが、待つ義務があるかというとありません。 「借地権によって借主の権利が優先的に保護される」という主張はあるでしょうが、それは「賃貸借契約」の場合であり、「使用貸借契約」においては主張できません。 野菜の損失はあるのかもしれませんが、それはどっちみち原状回復で引き取ってもらうので、質問者さまが財産を勝手に処分したことにはなりません。 また、期限もなく口約束での契約で、しかも無償なので、最後にはこういうことになることを覚悟していないほうがおかしいです。 逆にいうと、今回「使用貸借契約書」を締結する際に今までの分のお金も払えとかなんて言ったら、いくら「使用貸借契約書」と書いたところで実態として賃貸借契約となり借地権の主張が通るようになってしまうのでご注意ください。 ③逆に、借り主が土地の明け渡しを渋り交渉がもつれる時のために、借り主に対して期日を設定して書面にて明け渡しを求める文書を内容証明郵便で送付する対応を検討した方がいいでしょうか? ①で回答したとおりです。 ただ内容証明で送りつけるのではなく質問者さまと借主の人の双方の署名捺印したものを２部作成し、それぞれ１部を保管します。 そうできない事情があれば契約書ではなくおっしゃるようなかたちでもいいでしょう。でもその場合は合意書ではなく、「立ち退いてください」という一方的な通知です。