荷重バランスが良いと車体をコントロールしやすいんです。 スタートはリアに荷重がかかります。コーナリング前のブレーキングはフロント荷重になります。コーナリング中はトップヘビーだと慣性の法則でアンダーステアになります。前後バランスが良いと、ドライバーは車体の動きを直感的に把握しやすくなり、より自然な運転感覚を得られます。 実際、旋回時の慣性モーメントは、重心が中心になるほど小さくなり、クイックなステアリング応答を得られます。つまり、加速、減速、コーナリングといった様々な状況において、車体がより安定して動き、ドライバーの意図通りの操縦が実現しやすくなります。 もちろん、50:50は絶対ではないです。仰るとおり、静止状態での重量配分は、走行中の加速や減速、コーナリングによって常に変化します。そのため、50:50の重量配分が常に維持されるわけではありません。実際、直線をトップスピードで走行中は、トップヘビーの方が安定します。ただし、加速、減速、コーナリングなどなどあらゆる動きや荷重変化がある中で、重量バランスがよく、かつ車の重心が運転手付近にある車は、操作がしやすいのも確かです。スーパーカーのMRだけに限らず、BMWやロードスターのようなフロントミッドシップカーでも、車の操作がしやすくなるので、個人の感じ方ではありますが、運転が楽しくなるのもこれまた事実なんですね。