西部劇と日本の時代劇に共通しているのは、昭和30年代頃にはたくさんあったその手のジャンルテレビドラマが次第に飽きられて衰退したということでしょうね。 テレビが普及し出した時代には、「ララミー牧場」「ローハイド」「0088/ワイルド・ウエスト」「ローン・レンジャー」「ブロンコ」「シャイアン」「名犬リンチンチン」など日本のテレビも西部劇だらけだったのが、国産ドラマが増えてくるにつれ一挙に姿を消しましたし、アメリカでも原住民（昔風にいうとインディアン）を悪役にする勧善懲悪設定自体が許されなくなったり、近年では主要メンバーに必ず黒人俳優を使わなくてはいけなくなっていたりで、もはや昔のようなシンプルなB級娯楽映画としては作りにくくなったように見えます。 日常的に目にするテレビ西部劇やテレビ時代劇が減ったので、日米ともに子供時代からそういうジャンルに慣れ親しむということがなくなった世代は、次第にそういうジャンル自体に興味を持ちにくくなったという時代変化はあったと思います。 ただ、日本の時代劇のうち民放テレビドラマは、視聴者が全体的に高齢化してスポンサーがつかなくなったので作られなくなったらしいのですが、NHKや映画のように有料メディアでは、原作となる時代劇小説がミステリと同じように安定的な人気があるのに加え、時代劇コミックも時々人気作が出現するようで、時代劇全盛期ほどではないにせよ、今でも毎年一定数の時代劇は作られているように感じます。