家賃の回収は「業務」です。
現にご友人がそうであるように、払わずに済むなら払わないという図々しい態度をとる者が、毎月決められた期限までに稼ぎの何割もの金額を規則正しく払う事はないのですから、実務的には「回収」という作業が必要になります。多くの場合、金融機関による自動振替として、機械的かつ強制的に借主の口座から賃料を支払わせているのが実情でしょう。しかしそれはきちんと手続きを踏んだが故に成り立っていることであり、世の中には借主が毎月貸主の指定口座に振込処理をしたり、中には現金払いをしている様な事例もあります。
ご友人の事例においてはおそらく、毎月機械的に支払い(回収)が発生する措置が元々とられていなかったのでしょう。その状況で借主が滞納をし、貸主に督促や回収をする実行力やノウハウが無いと、何ヶ月も滞納が続くということが起こり得ます。通常は1ヶ月でも滞納をすれば督促の電話なり郵便物なりが届き、3ヶ月経っても支払いが無く連絡も取れない状況が続けば、それを事由として契約解除の流れになるものです。そうならないのは、貸主も借主も契約義務が正常に履行されるように行動していないというだけのことです。
請求してこないのは大体そんな理由でしょう。貸主も管理者も企業なのだとしても、回収事務がおざなりになっているという点では同じことです。ご友人が仰る「老朽化しているから請求できないのだろう」という理屈は単なる思い込みであり、乱暴な言い方をすれば「貸主を舐めているだけ」です。督促などの連絡が来ていない、という状況の詳細が不明ですが、貸主側が何らかの手段で支払いを求め(あるいは金融機関内の振替手続きは既にされていて)、それを借主が無視しているとか、口座の残高が補充されていないとかいう状況なのだとしたら、滞納は4年分しっかり溜まっていて、延滞利息も乗っている可能性が高いです。
その物件を占有しておきながら「賃料を請求されないから払わない」という態度は如何なものでしょうね。いつか怖い目に遭わないことを祈りましょう。