意味ないというのは「所得税の還付はない」という意味です。 住宅ローン控除と併用する場合でも、医療費控除もふるさと納税も住民税については意味があることが多いです。 まず、住宅ローン控除は税額の控除なので、所得税と翌年の住民税の金額が決まってから、実際に徴収される税金を軽減します。 控除の順番は所得税→住民税です。 所得税は納める全額が対象となっており、所得税の全てを引いても住宅ローン控除可能額（上限額以内の年末の住宅ローン残額の0.7%）を控除しきれない 場合にのみ、残りを翌年の住民税からも控除します。 ただし！ 所得税と違って住民税からの控除額には上限があり、課税所得の5%と97500円のうち、小さい方が控除の上限額となります。 住民税所得割は多くの地方自治体で課税所得の10%でしょうから、最大でも住民税の半分程度までしか住宅ローン控除で控除できません。（それでも余っている住宅ローン控除があれば、それは無駄になります） そのため、住宅ローン控除がどれだけあろうとも、住民税はこれから支払う予定の金額の半分程度までしか軽減できないわけです。 医療費控除は数ある所得控除の一つです。 所得控除というのは最終的な税額ではなく、税率や税額を計算するための課税所得自体を小さくする控除ですので、これにより所得税・住民税の両方が少し安くなります。 多少なりとも所得税は小さくなるので、所得税から住宅ローン控除を引ききれていない場合は、その分だけ住民税からの控除にまわされます。 が、前述した通り住民税からの控除は上限があるので、確かに住宅ローン控除は無駄になるだけかもしれません。 いずれにせよ、住宅ローン控除で引ききれない住民税はほとんどの地方自治体であるはずなので、そこが医療費控除でちょっとだけ安くなるはずです。 ふるさと納税は基本的に翌年の住民税からの税額控除（ふるさと納税の特例分）です。 ただし、確定申告した場合は寄附金控除として同時に所得控除もされます。 なので、医療費控除と同様、所得控除によって所得税・住民税の両方が少し安くなりますので、前述したような効果があります。 また、翌年の住民税から税額控除される部分（特例分）については、これから支払う予定の住民税所得割の2割が上限となっており、それ以上にふるさと納税した分は（所得控除はありますが）税額控除がなく自己負担となります。 ということは、住宅ローン控除の税額控除が最大でも住民税所得割のおよそ半分まで、ふるさと納税の税額控除が住民税所得割の2割なので、この両者がどれだけあっても、住民税の3割程度は残るということになります。 一方、ふるさと納税しなければ住民税の半分程度が残るわけですから、多分意味はありますよね。