それは明治42年（西暦1909年）に公布された「登極令」により、 天皇陛下が即位礼と大嘗祭を執り行われた後、 親自（おんみずか）ら皇祖・天照大御神に奉告され、 その御代の弥栄と人々の平安を祈念される「神宮ご親謁」の儀があるからです。 天皇のご即位と即位後初の新嘗祭である大嘗祭は一代に一度でしょう？ 従って、天皇陛下となれば神宮ご参拝も一代に一度のご参拝となり、 以降、毎年は自ら赴かないのです。 これは大正天皇が初の例とされます。 また天皇陛下の神宮ご親謁には「剣璽（けんじ）ご動座」が伴います。 その他、陛下から神宮に「神宝」（しんぽう）と「幣帛」（へいはく）を奉られます。 令和のご大礼でも、天皇皇后両陛下は神宮ご親謁をされていて、 前日の夕方に臨時専用列車で宇治山田駅まで、 そこから内宮の行在所（あんざいしょ）に御料車で入られて、 当日はあの天皇だけが着用できるご装束で幌を上げた儀装馬車にご乗車され、ご親謁に臨まれたそうですよ。 それには神社本庁役員や全国の神社庁長はじめ神社関係者も神域で列立し両陛下を奉迎したとか。 毎年神宮に参拝していなくても、毎年陛下お手植えの初穂などを神宮に奉納したり、既に皇居内にも神々をお祀りしてあって、年間を通して天皇自ら神事を行われているそうですし、 毎年陛下が神宮にお越しになられると、その、裏方さん達が当日までの準備やら儀式やら警備・警護の人達やら、皇族以上に非常に大変で緊張するから、 そんなに頻繁に来なくても良いんじゃないですかね。