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朝井リョウさん著「何者」、光太郎の発言について質問です。 物語終盤、拓人のバイト先からタクシーで帰っている場面での光太郎の発言に 「俺、拓人が何で内定が出ねえのか、ほんとにわかんねえんだよ」

文学、古典 | 小説27閲覧

回答(1件)

何者ーーー朝井リョウの名作。 回答者は小説ではなく映画を見ました。就活をめぐる青春群像劇としてよく出来ていたと思います。 映画でも二階堂ふみ演じる理香さんでしたか(名前忘れてるw)が主人公の裏垢の存在を明かして、責めまくってました。あのシーン、胡乱(うろん)な回答者はよく理解できていませんでした。 親友の光太郎(ですよね)が中堅の出版社への内定を勝ち取ったあと、深夜にタクシーの中でする発言、映画でも重要シーンとして出てきました。よく覚えています。 回答者はあれは光太郎の本心、主人公を思いやってのことばとしか思えなかったし、いまでも疑っていませんね。 >光太郎の中で拓人に内定が出ないという事実が拓人の人間性に理由として結びつかなかっただけなのでしょうか どうでしょう? それって少しうがちすぎのような気がします。 光太郎(映画では菅田将暉)という、就活を前にバンド活動に明け暮れていたヤツが早々に難関である出版業界に内定を決めるのにもかかわらず、主人公は次々に就活先から落とされる。 それが裏垢で露わになった主人公の欺瞞に満ちた思考法に原因があるーーという指摘ですよね。それが著者のメッセージなんでしょうか。 確か映画は2016年あたりだったか、もうかなり記憶に遠いわけですし、原作を読んでいない人間があれこれ言うのもはばかられますけどね…… 回答者は単に就活生の本音と建て前のギャップが主要テーマで、そこにすべて帰結すると考えています。就活という壁に直面した若者たちの苦闘記という認識です。 主人公は「うまくやった」光太郎に嫉妬を覚えずにいられない。光太郎はその心情を知ってか知らずか、親友として「なぜ、おまえが就活の勝者になれないんだ……」といわば心を寄せているんです。いいヤツの光太郎と、嫌なヤツの主人公が対比されて浮き彫りになります。 ある意味、若者らしいと言えます。裏垢なんてこのネット社会における一つの装置にすぎず、手書きの日記であってもいいわけです。それが理香さんのような抜け目ない女子に見つかって「偽善者だ!」と責められる。いつの時代にだってあるし、偽善に敏感なのは若者の特権とも言えるでしょう。 「心の中で思っていることは相手に伝わる」ーーそれが本当のことだったとしても、光太郎がそれ前提で「なぜ、おまえが~~」と皮肉を込めて発言したとは思いません。あれは親友をリスペクトしたうえでの本心からだと思います。 同時に不真面目なヤツが就活の勝利者で、真面目なオレが敗者になっているという、就活という行為の矛盾、それに振り回される「バカバカしさ」「悲哀」を象徴しているようにも見えますね。「この(哀れで醜い)オレって何者なのか」 映画は前衛的なシーンもあって、見ごたえがありました。小説だけでなく映像も楽しまれることをお勧めします。 ※それとも質問は映画の内容のことなのかな? だとしたら勘違いご容赦ください。 映画 何者

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回答ありがとうございます。 夢を諦めたことで嫉妬に狂い、自分をアピールすることが出来ない観察者としてしかいられなくなった拓人と、不真面目に見えても実直で目的もある光太郎の発言の対比、ということですね。 確かにお店のトイレでのサワ先輩の発言をみても、(理香さんはともかく)光太郎がそんなに皮肉屋だとは思えません。 私は最近この小説を知り、読み終えたのですが映画はまだみたことがなかったので、今度映像でもみてみたいとおもいます!