大谷は満30歳の時点で、5回の手術を経験している。 2017 前年の日本シリーズで痛めた右足首を庇い、開幕直後に左ハムストリングを肉離れ。 足首の骨棘手術をオフに行う。 2018 メジャーデビュー後の6月に右肘靭帯を損傷しDL入り。 当初はPRP注射で手術回避も、9月の復帰登板で悪化させシーズン終了後にトミージョン手術。 2019 投手練習時に左膝に違和感を覚え、打撃にも影響が出たことから9月に膝蓋骨手術でシーズン終了。 (患部は先天的要因による) 2023 投打のオーバーフローで左脇腹→右腕を痙攣させ、8月末に2度目の右肘靭帯損傷。 打者で強行出場したものの、ほどなく約右脇腹を肉離れし、シーズン終了を待たず肘の再手術。 2024 WSで盗塁企図時に左手を地面につき、左肩を亜脱臼。 当初は軽傷が強調されるも、強行出場で悪化させ、再検査で脱臼と関節唇断裂が判明し手術。 こうしてみると異常なプロセスで故障しているのが分かるが、共通項は強行出場→悪化のパターンで、大谷はピーク期に2年連続で同じ轍を踏んで大きな怪我をしてしまった。 大谷のパフォーマンスは他の選手が絶対にやらない無茶と酷使によって成り立ち、肉体は大きな負荷が掛かりっぱなしの状態にある。 今は筋肉がダメージの受け皿になっているが、肉体の回復力は年々遅くなり、筋肉が減衰すれば、出力の低下と耐久性の低下が同時に起こるだろう。 問題はそれに抗う肉体をどう維持するかで、今季終盤の大谷はパワーダウンを防ぐために体重と脂肪を増やした代わり、走塁の敏捷性が落ちた。 気掛かりなのは膝や股関節へのダメージで、年々蓄積する腰や背中の勤続疲労に加え、加齢によって大谷のコンディション維持は年々難しくなる。 肉体は有限である一方、大谷がこなすミッションはどんどん増えていき、無茶は確実に選手寿命を蝕む。 出力も無茶も異常なレベルだからこその危惧だ。