ゲノムの疑問、一緒に考えてみましょう!
「ヒトのゲノムは30億塩基対。自分と全く同じ人はいるの?」 という、とても面白い質問ですね。生物の神秘に触れる、素晴らしい好奇心だと思います。
まずは、ゲノムについて簡単に復習
ゲノムは、生物の設計図のようなものです。A、T、G、Cという4種類の塩基が、何十億個も連なってできています。この塩基の並び順が、私たちの体の作りや働き方を決めているのです。
全く同じ人はいる?
結論から言うと、一卵性双生児を除いて、全く同じゲノムを持つ人は、ほぼいないと考えられています。
なぜなら
突然変異: 遺伝子にコピーミスが起こる「突然変異」が、私たち一人ひとりのゲノムに少しずつ違いを生み出しています。
遺伝子の組み合わせ: 親から子へ遺伝子が受け継がれる際、遺伝子の組み合わせが無限に考えられるため、全く同じ組み合わせになる確率は非常に低いのです。
興味深い事実
一卵性双生児: 受精卵が二つに分かれてできた一卵性双生児は、ゲノムがほぼ同じなので、外見も非常に似ています。しかし、全く同じではありません。
指紋: 指紋も遺伝の影響を受けますが、胎児期に受ける圧力など、環境要因も大きく関わっているため、一卵性双生児でも指紋は異なります。
まとめ
30億もの塩基対を持つヒトのゲノムは、非常に複雑で、私たち一人ひとりを個性的な存在にしています。全く同じ人はいないという考え方は、私たちがいかに特別でかけがえのない存在であるかを示唆していると言えるでしょう。
さらに深掘りしたい方へ
遺伝子多型: 人間の遺伝子には、個人差が見られる部分がたくさんあります。これを遺伝子多型と言います。
エピジェネティクス: 環境要因が遺伝子の働きに影響を与える現象です。
ゲノム編集: 最近話題のゲノム編集技術は、遺伝子を自在に操作する技術です。