新潟県には５大ラーメンが存在します。 然し、新潟県上越市の一番美味しいと問われれば文句無く上越市にある「麺屋 あごすけ」一択です。 多くのラーメンファンの舌、喉越しを唸らせる美味しいラーメンの実力店です。他のお店の選択肢は比較にならないのでございません。 お店は平日でも開店前から行列出来程の“超・超・超”が人気店です。 店名にある様に、お店は「あごだし」（トビウオのだし）が自慢のお店ですが 今回ご紹介するのは、イチオシの「鶏塩上湯（シャンタン）麺」です。 スープ（麺）と具材が別盛りになってる「鶏塩上湯麺」900円／税込 メニューには「塩らーめん」との併記も記載されています。 上湯とは、清湯スープの更に上質な物です。 丼には麺とスープのみで、具材は別盛りで提供されるのですが、是には勿論理由があります。 先ずはスープの味わいを純粋に味わって欲しいと言う、お店からのメッセージなのです。 焼きあご油と鶏油の香ばしさが立つスープには、中央に鶏ハムの粉末とドライトマトの粉末が載っています。 このスープには更に秘密があります。 鶏塩上湯麺は魚介系と動物系のいわゆるWスープですが、２種類のスープは提供される段階では、上下二層に分かれています。 このスープは鶏油を入れた丼に、丸鶏スープを丼の肌から油の下を潜らせる様に注がれています。 続いて麺を投入してから、魚介系スープをそっと上に流し込まれています。 ２種類の油は風味だけで無く、スープの温度を保つ役割もあるのです。 写真は代表の月岡二幸さん。糸魚川市のご出身です。 東京で10年ほど中華料理の世界に身を置いていた月岡さんですが、佐渡の焼きあごに魅了され、独自をラーメンを研究し、2002年にあごすけをオープンしたそうです。 実食です。上澄みをレンゲで一口、抜群に美味しいです。 地元産のトビウオで作った魚醤を使った魚介系・焼きあごスープです。 すっきりとしつつもコクのある旨味です。 下の層に潜んでいるのは、鶏の旨味溢れる動物系スープです。 地元産の鶏や自家製の熟成ハム（金華ハム）を贅沢に、そして丁寧にじっくり煮込んだだしを使っています。 是が上湯スープなのです。 自家製の金華ハムは、そのまゝ食べても絶対に美味しし是でだしを取る等何て贅沢な事でしょう。 上のスープとゆっくりと馴染ませる様に味わいます。 すると、すっきり上品さを残しつつも、ふくよかな味わいに変化します。 繊細なWスープ、中々無いと思います。 やきあご油と鶏油も相まって、豊かな風味が広がります。 あごすけでは、出来上がっただしは保温し続ける事無く、冷まして保存しています。 提供する分だけをその都度温める事に拠って、眠っていた香りが広がり、雑味の無い旨味を堪能出来ます。 すっきりとした感じはこのせいなのです。 だしと合わせる塩だれにも、勿論拘っています。 砂浜で天日干しした塩を使用し、上越市安塚区にある雪室で３年熟成させる事に拠って、にがりの味が抜け、円やかな旨味が出るのです。 あごすけでは自家製で２種類の麺を作っているのですが、鶏塩上湯麺には、県産小麦「ゆきちから」で作った麺（細麺）を使っています。 パンなどに使用される小麦です。見た目からも分かりますが全粒粉です。 全粒粉の地粉で作った麺は風味が豊かで、スープとの相性も抜群です。 具材は、鶏チャーシューはムネ肉とモモ肉の２種類です。 モモ肉は、オーダーを受けてから、七輪で皮目をパリッと焼き上げます。 そして青菜とメンマです。 具材は提供される迄、厨房の保温棚で待機してあります。 スープも具材も、全てベストな温度で提供する、そんなお店の心意気が犇々と伝わって来ます。 最後に、具材も楽しんだスープを飲み干せば、全ての旨味が混然一体となった至福の味わいです。 ２種類のだしを使ったスープと自家製麺、そして具材の全てに妥協はありません。 何とも緻密に、そして複雑に計算された味わいは、言うなれば「あごすけ劇場」です。 最後まで変化が楽しめる新潟県上越市の一番美味しいラーメンの１杯です。 麺屋 あごすけ 新潟県上越市下門前1650 025-545-3335