戦後も駆逐艦を保有してますよ。
第二次大戦の敗戦の結果、日本と同じく武装解除されたドイツですが、西ドイツは再建にあたって最初の主力艦はアメリカのフレッチャー級駆逐艦6隻とイギリスのハント級駆逐艦3隻です。
自国建造が再開された後も、ハンブルク級駆逐艦4隻、リュッチェンス級ミサイル駆逐艦3隻があります。
戦後の西ドイツ海軍は日本の海上自衛隊と異なり、保有出来る艦艇にトン数の上限がありました。
ハンブルク級駆逐艦はその制限のせいで手狭で余裕が無く使いにくい面があったと言われます。
その後、NATO加盟国の海軍で統一したフリゲートを建造する計画が持ち上がり、イギリスとオランダのフリゲートをベースに進める方向になりましたが国ごとに異なる要求をまとめるのは難しく計画は進みませんでした。
その中で、手狭で使いにくかったハンブルク級駆逐艦の更新を進めたかった西ドイツ海軍はなかなかまとまらないNATO統一フリゲートの採用を見送り、自国設計のブランデンブルク級フリゲートとなります。
トン数保有制限があった時代に建造したのが「駆逐艦」、無くなった後に「フリゲート」です。名称について戦後の再軍備にかかる制限などは何も関係無いでしょう。
それよりも、NATO統一「フリゲート」が計画されたように、NATOの一員としての位置付けが明確なドイツ海軍としては一般的に用いられるフリゲートという艦種名にした、という事ではないかと思われます。
ところで。
「フリゲート」はもともと、帆船の時代に大砲をズラリと並べた「戦列艦」に対し、足が速く偵察や通報、敵商船の拿捕などに使われた艦でした。水雷が発明され、それを用いて主力艦に攻撃をかけてくる水雷艇を駆逐するものが「駆逐艦」のはじまりですから、フリゲートの方が歴史が遥かに長いわけです。
戦艦>巡洋艦>駆逐艦>フリゲート>コルベット のような大きさの序列になっていた時期(第一次大戦〜第二次大戦)の方が、長い歴史を持つ欧米の海軍にとってはむしろ例外とも言えます。