ダンサー・イン・ザ・ダーク
鬱映画で有名です。
主人公役は世界の歌姫ビョーク、若い人は知らない可能性もありますがアイスランド人でありながらアテネオリンピックの開会式で目玉となるパフォーマンスをしたほどで、唯一無二のアーティストです。
ストーリーはとても地味なミュージカルです。
母(ビョーク)は先天性の目の病気でこれが息子にも遺伝してしまい、息子の治療のためにアメリカに移住したのだが、
貧困ながらも必死に働き息子の治療費を稼いでいたが、事件に巻き込まれ。
本当に最初から最後まで地味なんですが、もうビョークの演技力と歌唱力と最後の演出がすごすぎて鬱極まりないのです。
見て1週間は引きずるほど。
ですがこの映画のすごさはそんなものでもないのです。
何の救いもないかのような結末に思えるのですが、
時が経ち自分が親になってみると、全く違った結末に見えるんです。
人生の中で何度でも思い出す映画です。
ミュージカルではあるのですが、
歌とダンスはほぼ主人公の妄想の中で行われ、現実との対比がものすごく喪失感あって素晴らしいです。
あとは主人公が属するミュージカルのサークルみたいなのでは歌いますが、妄想のようにうまくは行きません。
ですがラストシーンの歌は妄想ではないのです。これが本当にすごすぎて。
そしてこの映画はアメリカを描いたものなんですが、出演者とスタッフにアメリカ人はいなかったそうです。レーベルはアメリカの会社ではあるんですが。なのでアメリカ映画にありがちな主人公だけがうまくいけばモブはどうでもいいみたいな表現は無く、すべての登場人物がそれぞれの人生を生きていると思わせる映画となっています。