カラオケ採点のデメリット大きくは3つあると思います。
①音程は目で合わせるものではない。音を聴いて音で合わせるのが音楽。
②そもそも採点自体が間違いを含んでいて、よい歌唱力を評価できているとは言い難い。
→これについては下に図表を挙げますので、ご覧ください。
カラオケ採点で、歌い方の参考になるのは音程正確率だけだと思った方がよいです。とくに総合得点は間違いを多分に含んでいるので、参考にしてはいけないと思いますよ。あれはゲームの得点でしかないです。
③採点を入れる練習のもっとも大きなデメリットは、練習方法が偏ってしまうことです。
採点を入れた練習というのは、スポーツにたとえれば「練習試合」のようなものです。
その役割は「課題を拾い出すこと」であって、それが即座に改善につながる練習ではありません。
歌でもスポーツでも、練習試合で拾い出した課題は、それぞれ別々の方法で練習します。【←ここ重要!】
よほど特殊な課題でないかぎりは、練習試合で拾い出した課題を、練習試合を繰り返すことで改善しようとはしません(それを日常的にやるコーチや監督はバカ)。
多くの場合、練習試合で拾い出した課題は初歩の基礎や基本の改善練習をしたり、いくつかのスキルを組み合わせた程度のハードルの低い応用練習などで改善に繋げていきます。
ハードルを下げないと、改善練習は効果を上げられません。【←ここ重要!】
ところがカラオケの採点を信じ込んでいる人は、毎回の歌唱で採点を入れますよね?・・・そうしないと「まずい」と思い込んでいます。
でもその練習でハードルは下がっていないので、改善に結びつくことは非常に少ないと思います。
とくにカラオケでは発声の仕方についてはほぼ評価することができませんから、発声の仕方がなっていない方にとっては致命的です。
発声の仕方を改善できるような基礎の練習をしなければならないのに、その練習をまったくせずに「音程の正確率」に縛られた練習ばかりをやり続けるわけですから。
むしろ音程正確率のハードルはグッと下げていいので、発声の仕方にこだわった練習をするとか、本当なら「発声法をわかっている方」に聴いてもらい、改善のヒントをもらうような練習が大切なはずです。【←ここ重要!】
そのうちにそのおかしな発声法でないと音程を合わせられないクセが固まってしまう恐れもあります。
そして音程正確率以外の項目は、下の図表で示したようにかなり中身のおかしな評価になっている可能性が高いですから、そんなカラオケ採点の評価を参考にすれば「おかしな歌ウマ観」ができ、おかしな歌唱スキルができあがってしまうだけです。
カラオケ採点を入れる練習なんて、10回に1回以下でよいと思います。