教科書的にはそうなるのでしょうけど、実際は感情的なものが大きいようです。 当時、枢密院を牛耳っていたのは伊東巳代治と金子堅太郎でした。 この２人はかつて伊藤博文のもと憲法を作成した子分でもあり、伊藤がつくった立憲政友会びいきでした。 そこで、政友会の政敵である憲政会の若槻首相からの緊急勅令の申し出を一蹴したのです。 なにしろ、憲法を作った２人なので、彼等に「憲法違反だ」と言われると枢密院の他のメンバーは誰も反論できなかったのです。 若槻という人は東大を優秀な成績で卒業した人でしったが、「弱い」人で枢密院に蹴られるとあっさり内閣を投げ出してしまいました。 なお、その後の浜口内閣のロンドン軍縮条約でも伊東や金子は民政党（元憲政会）の浜口首相にいやがらせしています。 しかし、浜口は若槻と違って、「ライオン首相」と呼ばれたほどの「強い」人で、逆に枢密院のメンバーを全員解任する！と対抗。 これには伊東も金子もビビッて浜口に降参しています。