死刑制度存置に賛成する主な4つの理由です
①◆法の下の平等が守られる 【罪刑均衡の原則】
刑罰制度において、犯罪者が犯した罪に対し刑罰の種類とその重さを
明確に決定するために、公共の正義が原理と基準にするものは
平等(相等性)という原理以外はありません。
100万円盗んだ犯罪者に50円しか返さないでよいとの法律は
平等ではありません。
哲学者カントの応報刑の意見に賛同します。
「あなたが人から盗めば、あなた自身から盗むことになる」、つまり
1000円盗んだ人は、自分から1000円盗むこととして裁く、
「あなたが人から命を盗めば、あなた自身から命を盗むことになる」
人を殺した罪に対し、殺された人の命の尊厳につりあう罰は死刑であり、
国が殺人者に死刑を宣告することが正義である。(平等の正義)
→◆終身刑、懲役刑でよいとする理由がない
つまり、死刑廃止は殺された被害者と殺人犯の命の尊厳において、
「法の下の平等」が守られていない。
死刑制度は、ホッブス、ロック、ルソー、ヘーゲル、モンテスキュー など
「法と正義」を重視する哲学・法学・社会学者が支持しています。
②◆死刑制度によって、殺人者が真に反省し、更生することで、
殺人犯を人として救うことができる。
死刑制度がある場合、殺人犯罪者は逮捕・起訴された時点から死刑
を考えることになります。つまり、自分の死について熟考することに
なります。そして裁判で死刑を宣告されることで、多くの殺人者は
自分の死とその恐怖に向き合い、自分が被害者に与えた死を考え、
殺人の罪の深さに考えがおよび、真に反省することで、殺人者ではなく、
真の人となって更生し、刑務所で残りの人生を生きることが出来ます。
無期懲役、終身刑では、多くの囚人は死について考えることもなく、
殺人の反省などせず、刑務所でどう過ごすか、どう減刑(仮出所)して
もらえるかしか考えなくなり、更生などせず、ただの人殺しで人生を
終えます。
この辺は実際の刑務所内を書いた書籍を読めば明白です。
(例:無期懲役囚が書いた「死刑絶対肯定論」、池田晶子「死と生きる」)
死刑制度は、凶悪犯罪者を更生させ、人として救う刑罰制度であり、
死刑廃止は、その機会を奪うことになると考えます。
◆死刑廃止国ノルウェーで77人を殺した受刑者が刑務所内のゲーム機
を新型に変えるよう抗議している現実を見ると、死刑廃止は
殺人犯罪者が真に更正することを阻害している。
③◆死刑廃止は極端な原理主義(宗教的な)であり、人が正誤の判断を
深く考えず、原理主義にゆだねることに大きな危険を感じる。
死刑存置は、殺人者全てを死刑にしろと言っているわけでなく、殺人者
に情状酌量の余地があると人が考え判断することで98%前後の殺人事件
に死刑判決を出していない。
それに対し、死刑廃止はどんな残虐・利己的な殺人でも、何人、何百人
殺そうが、何が何でも死刑を廃止せよ・・とのいき過ぎた極端な考え、
「国が人を殺してはいけない」との宗教的原理主義に人が支配される
ことになります(◆宗教による脳死状態)。
死刑廃止は一定以上の非常に極悪な殺人犯罪に対し、その
量刑の審議を放棄することになります。
その意味で、日本が死刑を存置し、非常に極悪な殺人犯罪に対し、
死刑を真剣に審議すること。また、その死刑囚に対し、死刑執行をするか
否か(冤罪の可能性の再検討)を悩み、考えることは、人類にとって
大きな意味があると考えます。
④◆日本が死刑廃止すれば、殺人が増える。
ベルギー、イギリス、カナダ、フランスで死刑廃止後に大幅に殺人犯罪が
増えた明確なデータが存在します。