「犯人が『空き家だ』という認識のもと、人の住む住宅を放火した場合、何罪が成立するか？」という問題を考えましょう。 ●空き家＝非現住建造物（主観） ●人の住む住宅＝現住建造物（客観） すなわち、非現住建造物放火の故意で現住建造物放火を実現させた、ということになります。 両者ともに建造物であることに変わりはなく、人が住んでいるか否かの違いがあるだけです。 あえて考え方を式にするなら･･･ （主観）非現住建造物 （客観）現住建造物＝非現住建造物＋住人 となるでしょう。 非現住建造物放火の範囲では主観も客観も重なっていると言えますので、これが「法定的に符合する限度」となり、非現住建造物放火の範囲においては、故意を阻却しないという結論に至ります。 結果、非現住建造物放火罪が成立するということです。