まずJR神戸線について、最も簡単明瞭な理由を先に言います。
仰る「快速」はスラングでT電と言うのですが、このT電は最大で12両編成で運転されています。
しかし神戸以西の駅のうち、新長田、須磨海浜公園、塩屋、朝霧の4駅は、駅の用地の拡張が困難で、ホームを12両対応にする事がムリなんです。
新長田・須磨海浜公園は密集地、塩屋・朝霧は海岸線と段丘に挟まれた狭い土地に立地しているのです。
そのため、通称C電と呼ばれる、7両編成の普通電車が、明石までは絶対に必要になっているのです(明石は折り返しが出来ないので、C電は車両基地もある西明石で折り返し)。
このC電がある限りは、T電はこれまでも、そしてこれからも、大阪~神戸間はもちろん、神戸~明石間も快速運転となり続けます。
一方、京都線が通る淀川西岸は、もともとは典型的な郊外で、何と云っても土地が比較的に平坦です。
なのでそのムカシから、国鉄は余裕有る用地を確保できていました。
よって高槻以東はどこも12両対応のホームなので、T電が停まれます。
JR神戸線との大きな違いはこれです。
かつて、中距離近郊電車は、京都~明石を快速運転する「M電」ばかりで、C電が全時間帯にわたって京都~西明石に運転されていたのですが、1980年代いよいよ国鉄の経営が傾いたときに、昼間のC電はすべて高槻折り返しとして運用効率を上げ、そのときに、同時間帯を運転するM電がT電に代わったのです。
長い年月を経て、向日町や山崎などの沿線のお客様にもT電が停まることで慣れ親しんできましたから、今さら通過に戻すわけにもいきません。
また、M電主体の頃は、まだ新快速の運転本数が少なかく、朝ラッシュ時などはM電だけだったのです。
それとJR京都線は複々線ですが、M電やT電、C電はもとより、新快速もムカシは内側線運転でした。
外側線は特急などのほか、国鉄時代は数多く運転されていた貨物列車のダイヤが割当てられ、旅客列車(近郊電車)は内側線だけだったのです。
しかし今はご存知のとうり新快速は外側線運転となり、早朝から深夜まで運転されていますので、JR京都線ではM電の需要も小さいと思われます。
また、ダイヤ的には、大阪発場面で、高槻まではT電が先着、京都へは新快速が先着となるパターンになっていて、わかりやすいと考えます。