回答(3件)

鉄の原子核が安定で、それより重い原子核生成は吸熱反応になるため、反応が進まないから。 http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~kouichi.hagino/lectures/nuclphys2/notes16-14.pdf なお、最近の知見では、r過程は超新星爆発だけでなく、中性子星の合体によっても生じ、宇宙に重元素が放射されています。念のため。

この回答はいかがでしたか? リアクションしてみよう

s過程とr過程とあって、前者ですとビスマスまではできているんです。 が、恒星のエネルギー源として重要なr過程で鉄までしかできないのは、これがエネルギー的に最低の原子核だからです。鉄は、核分裂するときにも核融合する時にもエネルギーを吸い取ることになります。言ってみれば核融合反応における「完全な灰」です。 したがって、ケイ素から鉄への核融合が始まってもそれ以上別の原子核を生み出すことはできません。 「なぜ鉄が最低エネルギーなの」と言われると「この宇宙ではそうなってるから」としか言えません。 ほとんどの粒子には引っ張り合う力と反発する力が常に働いています。この力の大きさは宇宙ができた瞬間に決まっており、この宇宙ではちょうど鉄原子あたりの構成が、引っ張り合いと反発とが釣り合った状態で一番安定となります。恒星内部でもその状態は変わりませんので鉄が最終産物となります。 (・・・しかし、鉄が堪えきれないほどの猛烈な熱と圧力がかかってくると、今度は鉄原子核は鉄でいるよりも中性子の塊に変わった方が安定になるのでそのように変化。そこで恒星は吹っ飛んでしまいます。)

核融合でエネルギーを発生するのは鉄までです。それより先の原子核は鉄より不安定なので、核融合するには逆にエネルギーを与える必要があります。 恒星が安定して存在できるのは重力によって圧縮しそうになるのを中心の核融合のエネルギーによって支えているからです。なので、鉄まで反応が進むとそれ以上進めようにもエネルギーを発生できなくなって、その結果恒星が安定して存在できなくなり星の寿命がそこで終わってしまいます。 だから鉄より先の元素は星の終焉の超新星爆発など、特殊な環境でしかできないのです