動物の寒冷地適応には二つの法則が絡んでいます。
①ベルクマンの法則
「寒冷な地方では体が大きくなる」
②アレンの法則
「寒冷地の動物は体の表面の凹凸が少なく、丸みを帯びている」
ヨーロッパ人は主にベルクマンの法則により寒冷地適応をし、北アジア人は主にアレンの法則により寒冷地適応しています(但し、アジア人の胴長等の特徴は「ベルクマンの法則」に沿っている)
なぜ、ヨーロッパ人と北アジア人が別々の方向に進化したかというと、それぞれの地域の気候差が影響しているようです。ヨーロッパは高緯度地方ですが、北大西洋暖流の影響を受けて、比較的暖かな気候です。ところが、北アジアの冬は北極の寒気の影響をもろに受けるため、かなりの冷温となり、且つ、ブリザードのような強風も生じますので、体の露出部の面積を極力小さくしなければ適応できなかったのでしょう。
なお、肌の色の違いに関してですが、北アジア人の肌の色はヨーロッパ人ほど白くはありません。これも気候の違いによるものだと言われています。ヨーロッパは先ほど述べたように北大西洋暖流の影響下にあるため、比較的、湿潤な気候で、曇りの日が多いのですが、北アジアは晴天の日が多く、紫外線量がヨーロッパに比べ、かなり多いことが分かっています。従って、北アジア人の肌はそれほど白くはならなかったと言われています。
なお、下の回答に「温暖な地方(中国大陸の南部)と日本が陸続きだったころに・・・」とありますが、日本列島と中国大陸が陸続きだったのは3000万年以上前で、人類の発生以降(氷河期の時も含め)、日本列島と中国大陸南部が陸続きになったことはありません。(東シベリア~樺太~北海道は氷河期は陸続きだったようですが)また、東アジアへの人類の移動ルートは、現時点では、北ルート(中東→中央アジア→華北)と南ルート(アラビア半島→インド→東南アジア)が想定されています。南ルート、一本だけではなかったようです。
>>なぜアジアの人々は顔の彫りが浅いのですか?<<
アジアでも東南アジアの人々は比較的、彫りのある顔立ちをしています。これは彼等が北アジア人の遺伝的な影響をあまり受けていないからです。一方、東アジア人は北アジア人の遺伝的な影響が強く、扁平な顔立ちが目立ちます。この現象は緯度の高さと基本的に比例しており、緯度が高いほど、北アジア人の形質的な特徴が強く出ています。(日本列島は島嶼のため、多少、事情が異なります)