戸籍事務では、「誤字→通用字体及び正字」への変更は口頭でも可能となっていたはずです。
「正字の旧字・俗字→通常字体及び正字」への変更はどうだったかあいまいですが;
特に、戸籍が誤字なのに届出書に正字で書かれている場合には、確認なしで変更して良いというひどい扱いになっています。
しかしここで疑問が出ます。
通常、住民票の漢字は戸籍にあわせます。つまり、戸籍を変更したから住民票も変更になったという事はあっても、住民票を変更したら戸籍も変更になったという事は考えづらいのです。
ですから、戸籍の字はもしかしたらそのままかも知れません。(単なる役所の手違いや知識不足によって行われたとしたら。)
もし戸籍の字がその儘であるならば、いとも簡単に住民票の字は戻せます。
しかし逆に、戸籍の字を変更してしまったとしたら、これは大変難しいことになります。
家庭裁判所への申出で、直せる場合も無くは無いです。但しこの場合は改姓扱いになると思いますが…(ちなみに、下の名前を変えるのよりも認められる率は低いんです。)
家庭裁判所で改姓をする場合は、命名に使える漢字のみが認められます。ですから、もし戻すことが認められた場合は
○「沢→澤」「辺→邊」「学→學」「広→廣」「斉→齊」「斎→齋」「会→會」「桜→櫻」「真→眞」「与→與」「国→國」など
となりますが、
×A「辺→邉」「崎→﨑」「柳→栁」「桑→桒」「多→夛」
×B「藤→旧字の藤」などとなります。
理由は簡単で、1、「前者は命名に使えること」2、「前者は命名に使えない(A,Bに共通)上に、俗字と扱われる(Aのみ)こと」です。
ただし、家庭裁判所も情状酌量ティックな事は認める事はあるかもしれないので、場合によっては後者も認められるかも知れません。
そして、これは可能性はかなり低いですが、役所への直訴があります。
正統派じゃないバージョン:中には、「漢字が知らないうちに変わってたんだけど…」としらばっくれる人もいるようですが、ここは公の場ですので、否定も賛同もしません。行うのは貴方の自由ですが、私は責任はとれません;
正統派バージョン:先日、口頭で旧字を新字にすると言ってしまったのですが、直したいのですが…ということです。
まぁ変更した旨を認めてしまうと、ほぼ可能性はゼロに等しいのですが…
自分の記憶では、正字の旧字であったものを正字の新字へ変える場合は、口頭ではなく一筆必要だったようにも思うのですが、あいまいです。
何より、「届出書には旧字で書いたか」「今迄生活で旧字をつかってきたか」「今後も生活で旧字を使うか」
これらを全て実行していれば、家裁に申し立てる上で少しでも有利になりますよ!
あと、家裁に申し立てるとするならば、「文字を変更してから、名前を見てもらう上で別人と判断されてしまう事が多い」という理由は有効かも知れません。
最後に一言…
戸籍を電算化するに当たって、多くの文字が“役所が決めた”文字に変更されています。
これにあたっては、正統らしい理由をつけていますが、いってみれば事務の簡略化です。
私達の伝統は、役所が楽をする為に失われていく現状なのです。
さらにいえば、パソコンで入力が出来る文字に変更する人及び役所が最近目立ちます。
パソコンが人に合わせるのでなく、人がパソコンに合わせる時代になって来ているのは、少し、いや、甚だおかしいと私は思います。